総合性能は清掃能力でルンバ ダイソンは改善に期待
対決・高級ロボット掃除機(下)
前回の掃除性能に続いてチェックしたのが、使い勝手と手入れのしやすさだ。秀でていたのは、きめ細かな配慮が目立ったトルネオ。清掃後に充電ドックに戻ると、本体で吸ったごみをドック側のダストボックスに自動的に移す機能は特に便利だ。ドック側のダストボックスは容量が大きめなので、ごみ捨てが1カ月に1回程度で済む。しかも、ダストボックスは蓋が大きく開き凹凸も少ないので、ごみが飛び散ることもなかった。
フィルターやダストボックスをすべて水洗いできるのも、トルネオならではの強みだ。これに対してルンバはダストボックスとモーターが一体構造なので、水洗いは厳禁。拭き掃除だけだと細かなほこりを取りきれない点が、やや気になった。
ランニングコスト高いルンバ
ルンバとダイソンで便利だったのは、無線LAN経由でスマートフォン(スマホ)と連動する機能。いずれも遠隔操作で掃除をさせたり、清掃履歴を確認したりできる。なかでもルンバは、ダストボックスの使用状況をスマホの画面でチェック、本体から電子音を鳴らして居場所を確認できるなど、機能が多彩だった。
知られていないのがランニングコストに差が出ることだ。4年間使い続けると仮定して試算すると、ルンバは3万円台と最も高く、続いてトルネオが1万5000円程度、ダイソンが9000円程度だった。ルンバが高めなのは、2個で3000円(税別)のフィルターを3~4カ月に1度交換する必要があるため。ダイソンとトルネオはフィルターを水洗いできるので、この費用は基本的に発生しない。
価格重視ならトルネオも選択肢
これらの結果を総合的に判断すると、選ぶべきは清掃能力が最も高いルンバ。ボタン一つですべての部屋を的確に掃除してくれるのは、他にない強みだ。清掃能力はルンバほどではないが、部屋をランダムに走り回る「ランダムナビゲーション方式」のトルネオは部屋の隅や壁際に強いので、通常の掃除機による清掃の頻度を減らせそう。
ルンバより5万円以上も安いことを考えると、清掃する範囲を限定して使うなどするなら、十分に選択肢に入れていいだろう。ダイソンは吸引力という基本性能は高いので、今後のバージョンアップに期待したい。
(日経トレンディ 瀧本大輔)
[日経トレンディ2016年1月号の記事を基に再構成]
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