総合性能は清掃能力でルンバ ダイソンは改善に期待対決・高級ロボット掃除機(下)

日経トレンディ

価格が10万円以上するロボット掃除機の高級モデルが、2015年10月に相次いで発売された。米アイロボットの「ルンバ 980」と、ダイソンの「ダイソン 360 Eye」だ。いずれもカメラを搭載しており、部屋の間取りをリアルタイムに解析しながら効率よく掃除する機能をうたう。比較対象としてカメラ非搭載の「トルネオロボ VC-RVD1」(東芝ライフスタイル)を加え、3機種の実力を検証した。今回は、使い勝手や手入れ、ランニングコストを比較する。
手前左が「ダイソン 360 Eye」(税込み14万9040円)、手前右が「ルンバ 980」(税込み13万5000円、販売元はセールス・オンデマンド)。奥が「トルネオロボ VC-RVD1」(税込み8万780円)

前回の掃除性能に続いてチェックしたのが、使い勝手と手入れのしやすさだ。秀でていたのは、きめ細かな配慮が目立ったトルネオ。清掃後に充電ドックに戻ると、本体で吸ったごみをドック側のダストボックスに自動的に移す機能は特に便利だ。ドック側のダストボックスは容量が大きめなので、ごみ捨てが1カ月に1回程度で済む。しかも、ダストボックスは蓋が大きく開き凹凸も少ないので、ごみが飛び散ることもなかった。

便利なのはトルネオが本体のごみを充電時にドックに移す機能。ごみ捨ての回数が激減して実用的だ。本体の使い勝手はスマホと連係するルンバとダイソンが優れる。基本設定の他、遠隔操作や履歴の確認ができる。本体サイズはルンバとトルネオが同等。ダイソンは半径が小さく背が高いのでソファなどの下に入りにくいが、小回りが利くので一長一短だ

フィルターやダストボックスをすべて水洗いできるのも、トルネオならではの強みだ。これに対してルンバはダストボックスとモーターが一体構造なので、水洗いは厳禁。拭き掃除だけだと細かなほこりを取りきれない点が、やや気になった。

ダストボックスなどをすべて水洗いできるのは、3機種ではトルネオだけ。ルンバは基本的に水洗い不可だ。ダイソンはサイクロン部のみ水拭きだが、細部のほこりを取り除きにくかった。ごみ捨てのスムーズさではトルネオが優秀。ルンバは蓋の構造上ごみが引っ掛かることがあり、ダイソンは蓋を開ける際の勢いで中身が飛び散ることもあるので要注意だ

ランニングコスト高いルンバ

ルンバとダイソンで便利だったのは、無線LAN経由でスマートフォン(スマホ)と連動する機能。いずれも遠隔操作で掃除をさせたり、清掃履歴を確認したりできる。なかでもルンバは、ダストボックスの使用状況をスマホの画面でチェック、本体から電子音を鳴らして居場所を確認できるなど、機能が多彩だった。

知られていないのがランニングコストに差が出ることだ。4年間使い続けると仮定して試算すると、ルンバは3万円台と最も高く、続いてトルネオが1万5000円程度、ダイソンが9000円程度だった。ルンバが高めなのは、2個で3000円(税別)のフィルターを3~4カ月に1度交換する必要があるため。ダイソンとトルネオはフィルターを水洗いできるので、この費用は基本的に発生しない。

4年間使うと仮定した際のバッテリーとフィルターの費用を試算した。まずバッテリーについては、4年で1回の交換と考えれば大きな差は生じない。フィルターは、すべて洗えるトルネオとダイソンは基本的に交換不要。これに対して、ルンバは年に1万円近く見る必要がある

価格重視ならトルネオも選択肢

これらの結果を総合的に判断すると、選ぶべきは清掃能力が最も高いルンバ。ボタン一つですべての部屋を的確に掃除してくれるのは、他にない強みだ。清掃能力はルンバほどではないが、部屋をランダムに走り回る「ランダムナビゲーション方式」のトルネオは部屋の隅や壁際に強いので、通常の掃除機による清掃の頻度を減らせそう。

ルンバより5万円以上も安いことを考えると、清掃する範囲を限定して使うなどするなら、十分に選択肢に入れていいだろう。ダイソンは吸引力という基本性能は高いので、今後のバージョンアップに期待したい。

最も優れるのは、複雑な間取りでもきっちり掃除するルンバ。ただし、トルネオはランダムナビゲーションの割に十分な清掃能力で、使い勝手と手入れのしやすさに秀でる。ダイソンは吸引力こそ強いものの、まだ未成熟な点が目立った

(日経トレンディ 瀧本大輔)

[日経トレンディ2016年1月号の記事を基に再構成]

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