マンション価格を左右する株価の動向に注目不動産コンサルタント 長嶋修

前回は、不動産市場に頭打ちの傾向が見え始めたことをお伝えした。一つは、不動産業向け貸出資金残高が64兆9161億円と、1989年度のバブル期や2007年度のプチバブル期をはるかに上回る水準に膨らんでいること。さらに、都心部の中古マンション市場で、成約数が鈍化する一方で、新規登録数が増加し、在庫が大幅に積み上がりつつあるということだ。今回はマンション市場をもう少し細かく見ていくことにする。

12年12月の自民党への政権交代以降、不動産価格は上昇を続けてきた。しかし、この間に上昇基調にあったのはあくまでマンションのみであり、戸建住宅や住宅地は現在、10年の平均を下回る水準であることを確認しておこう(グラフA)。

国土交通省の資料によると、10年の平均を100とした場合の「不動産価格指数(住宅)」は15年8月時点でマンションだけが121.5ポイントと上昇したものの、戸建住宅は99.6、住宅地は97.5ポイントにとどまっている。

12年11月に底値圏にあった東京都心3区の中古マンション価格は、株価と連動して上昇してきた(グラフB)。

12年11月といえば、野田佳彦首相(当時)が14日に衆院解散を明言、12月16日に総選挙を行うことを決め、これを境に株価が息を吹き返したのは記憶に新しい。実は、都心3区の中古マンション市場も同じ軌道を描いた。その後も株価とほぼ同じように価格上昇を続けてきたものの、株価動向に頭打ち感が出てきたのと同様、都心中古マンション市場にも停滞感が広がり始めている。

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