スマートTV端末対決 価格重視なら「スティック」
テレビ向けの映像配信用STB(セットトップボックス)は以前から存在するものの、新製品は特定サービスの専用端末ではなく、スマートフォン(スマホ)のように好きなサービスのアプリをインストールできるのが特徴。ゲームのアプリにも対応する。また、スマホと連動させなくても、付属のリモコンだけで使える。
2015年2月発売のグーグル「ネクサスプレーヤー」に続き、2015年秋にはアマゾン(Amazon.co.jp)が「ファイアTV」と「ファイアTVスティック」を投入。アップルジャパンも3年ぶりに「アップルTV」を刷新し、アプリマーケットに対応させた。
価格性能比ではファイアTVスティック
各製品はそれぞれアップルの「iTunesストア」のような公式配信サービスを持つ。1作品ごとに400~500円程度を払う方式だが、DVDレンタル店などで人気上位の新作ならどの公式サービスも8割方カバーし、品ぞろえの差は少ない。ネットフリックスやフールーなど、主に月額制の外部サービスへの対応は、アマゾンやネクサスが充実する一方、現状の新型アップルTVはやや見劣りする印象だ。
操作性ではアップルが優位だ。唯一、付属のリモコンだけでテレビの音量調節ができ、メニュー選択や早送りなどをタッチパッドで行う仕組みは指が疲れにくく快適だ。ただ、他製品も最低限の操作性は確保している。音声検索の精度などはどれも互角だった。
対応サービスの少なさが気になったアップルTVだが、iPhoneと連係させて使えば実質的な対応サービスは一気に増え、弱点ではなくなる。ただ、そもそもアップルTVは2万円近くと高価。一方、税込み6480円と突出して安いのがファイアTVスティック。
上位機種との違いは4K対応など一部だけで、操作性や映像配信への対応度は同じ。コストパフォーマンスではファイアTVスティックが最も優れている。
(日経トレンディ 臼田正彦)
[日経トレンディ2016年1月号の記事を基に再構成]
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