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気分屋の子どもの「食事時間」を整える

2015/12/18

『仕事も家事も育児もうまくいく! 「働くパパ」の時間術』著者の栗田正行です。子どもの生活習慣について、父親と教員という2つの立場から学んできたこと、感じてきたことをお伝えしていきたいと思います。
今回は、毎日欠かすことのできない食事の時間についてです。幼い子どもたちは気分屋です。ただでさえ時間がないのに、思い通りに子どもの食事が進まないことにいら立ってしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか。(私はしばしばあります…)
それでは、これからそんな困った状況になるべく陥らないための、わが家の工夫を紹介していきたいと思います。

■朝食は「セットメニュー」で時間節約

育児では大きなウェイトを占める食事。あなたが乳幼児のお子さんをお持ちであれば、食事は子どもの状況に大きく左右されるということがよく分かるのではないでしょうか。

私は、食事時間を整える一番の方法は、子どもたちが食事の時間を楽しみに思えることだと思っています。豪華な食事でなくても、子どもたちが食事を楽しめる(遊ぶという意味ではありません)環境さえ用意できれば、子ども特有の「食べない」「食べたくない」合戦が開戦することはありません。ひいては、それが家族全員の有効な時間の使い方につながってくるのです。

実際、忙しい毎日の中では、親の都合で時間に間に合うように急いで食べさせることもあるでしょう。しかし、時には子どもが笑顔で、心から食事を楽しめる場をつくってあげたいですよね。それには、何よりもパパ・ママの心の余裕が必要です。だからこそ、食事の準備などは効率的に行うことが重要になってくるのです。

以降は、わが家の子どもたちが毎日笑顔で食卓に向かえるように、夫婦で意識していることをいくつか紹介します。

まずは1日のスタート、「朝食」についてです。あわただしい朝食時には、ご飯やパンのメニューを次のようにシンプルな「セットメニュー」で考えると心に余裕ができます。

(1)朝食はご飯派…「温かいご飯さえあればよし」

朝ご飯には、できれば焼き魚に納豆、ホウレンソウのおひたしにお味噌汁が欲しいなぁという方もいるでしょう。しかし、これはあくまで理想。幼い子どもがいて、しかも共働きだとしたら、このように理想的な朝食を作っている、あるいは食べている余裕はなかなかありません。

わが家の場合、朝食がご飯のときには、とにかく「温かいご飯さえあればよし」と考えています。これにお味噌汁や夕食の残り物などがついた日には、その日1日ハッピーになってしまいます。もちろん、ご飯だけで朝食が終わりというわけでなく、実際には、次のようなご飯の友との「セットメニュー」になっています。

・ご飯の友の例
納豆、生卵、海苔の佃煮、ちりめんじゃこや鮭フレーク、お漬物やキムチ、塩コンブやなめたけ、ふりかけ、食べるラー油(大人向け)など

挙げればきりがありませんが、わが家ではご飯が進むパートナーを日替わりで選んでいます。つまり、温かいご飯+もう1品。ほとんどの場合、でき上がっているものを食卓に並べるだけで済むので、食事を準備する側のゆとりができるというメリットがあります。これなら、料理をしない方でも自分で準備したり、手伝ったりできますよね。

また、もう1つのメリットとして、ご飯の友の適度な塩分で子どもたちがパクパク食べてくれることも挙げられます。育児中の食事の悩みで多いのが「子どもがご飯を食べない」ことですが、この悩みも解消してくれる優れ物なのです。

(2)朝食はパン派…「パンを皿と思え」

手軽に食べられるという点では、朝食がパンという方は多いかもしれません。菓子パンは、朝食を食べないよりはマシですが、塩分・糖分・脂肪分を考えると毎日食べることはおすすめできません。できれば、食パンなどの味がないパン+おかずの「セットメニュー」がベストです。

さらに、パンを手軽に食べる工夫として、わが家では「パンを皿と思え」という考え方があります。読んで字のごとく、パンを皿と思って、その上にいろいろとおかずを載せてしまうのです。そのメリットは「サンドすれば食べるのが楽」「洗い物が少なくて済む」ということです。

ここで、わが家のパン食バリエーションをいくつか紹介します。

パン&卵 (目玉焼き/ゆで卵&マヨネーズ/スクランブルエッグ&レタスなど)
パン&チーズ (チーズ&ハム/チーズ&トマト/クリームチーズ&ハチミツなど)
パン&缶詰 (ツナ&マヨネーズ/コーン&マヨネーズなど)
パン&夕食の残り物 (ポテトサラダ/コロッケorトンカツ&キャベツ/ハンバーグ&トマト/カレー【具は少し潰すと食べやすい】など)
パン&甘い物 (バナナ&バターorピーナッツバター/砂糖&シナモンパウダー)

こうすると、ただの食パンでも飽きませんし、すべてパンに載せてしまえばワンプレートモーニングセットのでき上がりです。準備も片づけの時間も短縮できます。

最近は、ホームベーカリーも手軽に購入できるようになりました。市販のパンに入っている食品添加物が気になる方は、自分のお好みの食材を入れてパンを作れるのでおすすめです。朝焼き上がるようにしておけば、焼き立てのパンを味わうことができます。わが家でも、全粒粉、ナッツやレーズンなどを入れて、それだけでも栄養価が高い焼きたてパンを楽しんでいます。

■サクサク楽しく夕食をとるための5つのポイント

次に夕食です。時間管理という観点で見た、夕食のポイントを5つ挙げます。

(1)食べる席(場所)は固定する

幼い子どもは、環境が変わると大人以上に変化を感じます。普段ちゃんと食べている子どもが、外出先で急に食べなくなることがあるのがその証拠です。これは自宅でも同様です。環境をなるべく同じにするためにも、食事をとる席はなるべく固定しましょう。

大人用の椅子に座れない乳幼児であれば、ベビーチェアの使用がおすすめです(ちなみに、わが家の次男が2歳のころ、ベビーチェアに座るだけで食事だと認識し、「いただきます」ができるようになっていました)。

(2)食べるメンバーを固定する

環境が変わると子どもは敏感に反応することを先ほどお伝えしました。これは食べるメンバーについても言えます。普段、食事を共にするメンバーも、ある程度同じほうがよいでしょう。

平日は、仕事の関係でパパあるいはママが夕食に間に合わないという場合もあるでしょう。であるならば、平日は「補欠」でも、休日は「レギュラー」を目指しましょう。

ここで私がこだわっていることを1つ。それは、子どもと一緒に夕食をとれない場合、私は子どもの前では食事をとらないようにしています。なぜなら、親が目の前で食事をすることで、子どもも食べたくなってしまうからです。

ある程度の年齢までは、子どもは自分の欲求を我慢できません。加えて、パパ・ママがしていることをまねしたがる子どもの特性を考えると、ダラダラ食べや夜遅い時間に食べさせることを防ぐ意味でも、目の前で夕食をとるのは極力避けています。

(3)食べる時間を固定する

これは文字通り、夕食の時間を固定するということです。子どもに翌日の朝食をしっかり食べる習慣を身につけてほしいのならば、実はこれが一番重要です。なぜなら、毎日変則的な夕食時間では、翌朝の子どもの空腹具合もまちまちになるからです。

わが家の場合、夕食後に入浴します。なぜなら、通常の夕食時間が17時だからです(あくまでわが家の例です…)。夕食の時間が遅くなると、これ以降のお風呂や就寝の時間が遅くなってしまいます。そのような理由から、外泊している場合を除き、ほぼ毎日同じ時間に夕食をとるようにしています(というわけで、平日は私抜きの夕食がほとんどです)。

このリズムが定着したことで、長男が4歳のころには、テレビ番組や時計の針の位置で、夕食の時間になったことがわかるようになりました。

夕食の時間帯などはあなたの家庭に合ったスタイルでいいと思いますが、この「何時になったら夕食」という習慣はぜひ意識してほしいと思います。何よりも、子どもにとっては生活リズムの基準となりますし、親にとっては夕食時間がデッドラインとなって食事の準備・段取りに取り掛かるなど効率的な工夫をするようになるので一石二鳥です。

(4)ママとパパの役割分担は柔軟に

食事のとき、家族の役割分担はある程度決まっていると思います。例えば、

・食事の準備はママ
・長男に食べさせるのはパパ
・次男に食べさせるのはママ
・後片づけはパパ

といったような具合です(ちなみにこれは休日のわが家のフォーメーションです)。ところが、夕食時にはこの役割分担にこだわり過ぎないほうがよい場合があります。その理由は、夕食時には1日の疲れが出やすいために、子どもや家族の状況が変わりやすいからです。

子どもが疲れていて、ママに甘えたいときもあるでしょう。そういう場合はパパの出番です。パパが夕食の準備をする、あるいはママの手が空くように準備を手伝ってみましょう。

子どもの機嫌が悪くて食べないときには、食べさせるパートナーを交代するのも有効です。プロレスのタッグマッチと一緒で、相性がいいもの同士で対戦(ここでは食事のことです)すればよいのです。そのようにして、子どもの変化に柔軟な対応ができれば、今までの食事における悩みは半減するはずです。

(5)ママに対してワガママを言わない

毎日、家事に育児に大忙しのママですが、食事のメニューを考えるのも悩みの種です。そのような状況下で、「オレ、あれが食べたいなぁ」というように、毎日パパが食事のリクエストをすると、大きな子どもがもう1人増えたような錯覚に陥ってしまうのではないでしょうか(たまのリクエストなら、いいと思います)。

ハレの日の食事でなければ、ほとんどの場合、夕食のメニューは、旬のものやその日スーパーで安かったもの、そして冷蔵庫の在庫状況によって決定します。ですから、あらかじめメニューは固定しないほうが作りやすいうえにリーズナブルなのです。このことは一人暮らしをしたことがある方なら、何となく実感できますよね。ママの手を煩わせるよりも、わが家の「日替わりメニュー」を楽しめるようにしていきましょう。

■「嫌い・食べたくない」合戦を休戦して時間を獲得しよう

育児中の食事において、一番時間が取られるのは、子どもから、「これは嫌い」「これ、食べたくない」といった一言が出たときではないでしょうか。

それを子どものワガママだと決めつけ、叱ったところで、この「嫌い・食べたくない」合戦がさらに激化することは、子育てを経験した方ならば経験上よくわかると思います。特に、子どもが幼いころはその傾向はより顕著です。

ここで考えたいのは、子どもたちがどうしてこのように「嫌い・食べたくない」合戦を開戦することになるのかということです。子どもたちが食事をとれない・とらない状態になるのは、ただのワガママ以外に、次のような理由が考えられるのではないでしょうか。

・体調が悪い
(あとで腹痛や発熱が発覚することはよくあります)
・おなかがすいていない
(あまり体を動かして遊んでいない、おやつの食べ過ぎなどが考えられます)
・直前に親とのトラブルがあった
(叱られたり、言い合ったりしたあとは、子どもは意地を張る場合があります)
・その他、食事に集中できない理由がある
(テレビやラジオ、パソコン画面などに夢中になっている場合があります)

このように、様々な理由があり得るのです。親は、とかく怒鳴りながら子どもの口に食べ物を運ぶ「食事マシーン」になりがちです。日ごろ、ずっと子どもたちと一緒にいるママならなおさらです。

ですから、子どもたちが食事に集中できないときは、パパ自身が、まず子どもの気を引くことから始めましょう。

具体的には、次のようなやり方があります。

・自分自身が、すごくおいしそうに食事を食べる
・食べ物を入れる皿や器を変える
・体調が悪いのであれば、食べやすいものに変える
・おなかがすいていないのであれば、量を減らす
・とにかく子どもを笑わせて、場を和ます
・パパがいると遊んでしまうのであれば、パパは姿を消す(わが家で多いパターン)

あなたの家庭ならではの工夫でいいので、子どもたちが食事をとりやすい環境を用意してあげてください。

共働きの方々にとって一番大切なことは、お互いが協力して難局を乗り切るということに尽きます。食事についていろいろ書いてきましたが、パパ・ママどちらか一方に任せっきりにしないことが重要なのではないでしょうか。

わが家のやり方が完璧というわけではありません。もし、何か1つでも楽しい食事の時間にするためのヒントになれば幸いです。

栗田正行
1976年千葉県生まれ。私立高校の現役数学教師。日本大学理工学部数学科卒業後、一度は教師になるも退職。料理の専門学校を卒業し料理人になるが、経済的な理由により塾講師へと転身。家族との時間を大切にしたいとの思いから、今一度教職を選んで現在に至る。著書に『仕事も家事も育児もうまくいく! 「働くパパ」の時間術』(日本実業出版社)、『効率が10倍アップする!「時間」を生み出す教師の習慣』(東洋館出版社)など。

[日経DUAL 2015年10月26日付記事を再構成]

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