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白塗り集団「白A」 世界をうならせたパフォーマンス

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空間やステージ上に映像を映し出すプロジェクションマッピングを駆使し、映像とダンス、音楽を融合させた独特のパフォーマンスを繰り広げる白A(しろえー)。 2002年の結成以来、長い下積み時代を経て、日本ではようやく知名度を高めつつある。だが、海外では一足早く、「SIRO-A」の名で多くのファンを熱狂させている。

何色にも属さない、特定できない集団

グループ名の通り、メンバーの顔は白塗りだ。"何色にでも染まる"ということを表現するとともに、その顔は時にスクリーンの役目も果たす。「A」に込められているのは匿名性。

珍しいネーミングには、「何色にも属さない、何者とも特定できない集団」という意味が込められているのだ。確かに、型にはまっていない彼らのパフォーマンスを言葉で説明するのは難しい。

白Aの歴史は仙台の高校の演劇部まで遡る。卒業後、演劇部員の多くは劇団に入り、思い思いに表現活動をしていた。

その後、劇団内で特に仲の良かったメンバーを中心に6人が集まり、演劇という枠を超えて「もっと面白い事をやろう!」と始まったのが白Aだ。

「活動の場はライブハウスなどで、もっぱらアンダーグラウンドでしたね。コントをやるほか、絵を描き、アート作品を使い、詩を読み、ヌードになってみたり。ステージで表現したいことが多すぎて、あらゆることを試していました」

さまざまな方法を模索し続けるうち、映像を使ったパフォーマンスにたどり着く。

その後メンバーを増やしていき、現在は総勢13人のグループである。

白Aの真骨頂は、人間の動き、映像、音楽をシンクロさせたオリジナリティーあふれる斬新なパフォーマンス。

映像にしろ音楽にしろ、専門知識を持つメンバーがいたわけではないが、とにかく興味からくる情熱はたっぷりあった。

映画やアニメ、ニュースに風景、スポーツ、ゲームなど、身の回りのあらゆるものをアイデアとしてパフォーマンスに取り込み、スタイルを確立させていった。

けれど、陽の目を見ないという点では、結成から6年たっても変化なし。活動の中心はやはりライブハウスで、時折イベントに参加する程度。オファーなどはまったくなかった。

「白Aだけでの活動では生活できませんでしたね。昼間は普通に仕事をして、夜に全員が集まって練習する日々でした。2足どころか、4足のわらじを履いていたメンバーもいます」

言葉がなくても外国人を楽しませられる

チャンスは2009年に訪れた。芸能プロダクションのアミューズが主催する劇団イベントに東北代表として参加し、準優勝に輝いたことで、アミューズと契約。プロとなり、新たな一歩が始まった。

翌2010年、縁あって、上海国際博覧会(上海万博)の日本パビリオンで行われたイベントに出演した。グループとしてのみならず、各メンバー自身にとっても初めての海外。わずか30分ほどのステージだったが、珍しいものを見たかのように興奮する観客たちの姿に驚いた。

「自分たちでも違う国の人たちを楽しませることができるんだと実感しました」

海外での活動など、誰1人考えたことがなかった。個人レベルでは、言葉の壁が立ちふさがっていたからだ。けれど白Aの行っていることは、ノンバーバル(非言語)パフォーマンス。集団としてなら十分立ち向かえることに、各々が気づいた。

「ひょっとして自分たちには海外が合っているのかもしれないと、それまでまったく思いもしなかったことを考えるようになりました」

その思いは翌年、早くも実証された。

海外で知った観客との距離の近さ

毎年、スコットランドで1カ月近くにわたって開催される、「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」。世界中から芸達者が集まり、「世界最大の芸術祭」と呼ばれるこのイベントに、白Aは出場した。そして何と、同フェスティバルに最も貢献したパフォーマーに贈られる「スピリット・オブ・ザ・フリンジ2011」を受賞したのだ。「白A」は海外で活動していけると確信した。

それまで日本国内ではろくにオファーもかからず、地道に活動していたメンバーの生活は、一変した。

2012年にはドイツ、デンマーク、オーストリア、フランス、スイスのヨーロッパ5カ国を回るツアーを実施。2013年はロンドンで155日間のロングラン公演。2014年は再びロンドン117公演のほか、ドイツ・アメリカツアーも行った。いずれも盛況だった。

映像、音楽、ダンスを駆使する彼らに対し、ノリのよい欧米の観客は叫び、手を振り、ともに踊るなど、楽しんでいることを全身で表現してくれる。

「お互いのアピール合戦のようなダイレクトなコミュニケーションが、すごく心地いいんです。オーディエンスとの距離がこれほど縮まるなんて、思いもしませんでした」

評価や期待されることのありがたさ

メンバーにとって、今は海外で目にすること、体験することすべてが新鮮だ。ステージの合間に必ず休憩を挟まなければいけないドイツの公演では、「今から休憩に入ります」というアナウンスをドイツ語で言うよう依頼された。

「自分たちとしてはうまく言えたと思っていたんですけど、まったく通じていなかったようで、結局現地の人に言い直してもらいました」

インドの大学フェスでは6000人の観客が集まり、怒涛のような歓声の響きを感じた。ついぞ体験したことのない歓声に、「ものすごいパワー。この国ではどんなチャレンジをしても盛り上がってくれる」と、勇気づけられた。

アメリカの公開オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」では、優勝を予想するオッズで、白Aに半数以上の数字がついた。「アンダーグラウンド時代を考えれば、人々からそれだけ評価され、期待されることが信じられないです」

「アメリカで先日、白塗りのまま現場を移動していたら、声をかけられたり、写真を撮られたり。自分たちの顔に手を当てて『SIRO-A?』って。日本ではそんな反応をされたことがないので、自分たちが逆にびっくりするけど、とにかくうれしいですね」

(ライター 笹沢隆徳)

[日経GLOBAL GATE 2015 Winter記事を再構成]

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