グーグルが無線ルーター IoT時代の主役ねらう
グーグルが新しいタイプのWi-Fi(無線)ルーター「オンハブ」を開発。2社から1機種ずつ発表されている(図1)。
「グーグルがWi-Fiルーター?」と不思議に思われるかもしれないが、グーグルはこれまでもWi-Fiの普及には力を入れている。米国のいくつかの都市で無料のWi-Fiサービスを提供するなど、地方自治体とも提携してきた。たくさんの人がネットを利用できるようにすることをミッションとするグーグルにとって、通信環境の改善は大きな課題なのだ。
そうした流れの中で、オンハブは家庭の通信環境を充実させようというのが狙い。これまでのWi-Fiルーターで起こりがちだった通信の途切れや、再生途中での映像のフリーズといった通信のトラブルを解決できる製品を目指した。
オンハブは、アンテナを円環状に配置しており、屋内のどこにでも、方向を問わず信号が届くように配慮されている(図2)。
見た目も、従来のルーターとは一線を画したおしゃれなもので、これならばリビングに置いても違和感はない(図3)。
専用のアプリが用意されており、さまざまな機器をこのアプリで簡単に接続できるようになっている。また、アプリはネットワーク管理の機能も持っており、どのデバイスが帯域を占有しているのか、誰が利用しているのかなどをチェックできる。
また、ジェスチャー入力も面白そうだ。ルーターの上部に手をかざして左右に動かすと、特定のデバイスに優先してデータを送るといったこともできる。ストリーミングで動画を再生したいときなどを想定した機能だ(手かざし機能はASUS製品のみが対応)。
IoT(モノのインターネット)の普及に伴い、今後ますます通信を必要とする家庭内の機器は増えていくだろう。その中心に位置するのがオンハブになる──。それがグーグルの狙いといえる。
(ライター 瀧口範子)
[日経PC21 2016年1月号の記事を再構成]
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