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「もらっても使えない」 退職金のリアルな姿 60歳2000万円 リアル退職金の使い方(1)

日経マネー

2016/1/18

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大企業勤務の大卒社員で平均2300万円、中小企業で同1300万~1800万円とされる退職金。老後の生活を支える要だが、海外旅行やリフォームでかなりの部分を散財したという話もよく耳にする。ドンと振り込まれた大金を先輩たちは上手に生活費として使っているのか。退職金のリアルな使い方を4回に分けて解説する。1回目は、もらった退職金の使い道を調査と体験談からひもとく。
(イラスト:タカハシカオリ)

毎日が日曜日、口座には8桁の大金。何を買おう、どこへ行こう。仕事にくたびれた現役サラリーマンの中には、そんな定年後の生活を夢見る人がいるかもしれない。だが、退職金を自由に使えるのは限られた人たちだけだ。

年金支給開始年齢の引き上げで、多くのサラリーマンは退職後に「空白期間」を過ごさなければならなくなった。退職金は以前にも増して生活費という側面が強くなってきている。実際、年金額や老後の生活費、そして寿命までの年数、それぞれの平均データを使って収支を計算すると、退職金は生活費の補填で消えてしまうのだ。

では、サラリーマンOBは退職金をどう使っているのだろう。野村総合研究所の調査によると、受け取った額の6割近くは預金。投資に回した分を含めると75%は将来への備えに回されている(下グラフ)。旅行やリフォームなど、退職時に使った額は全体の17%に過ぎない。

受け取った退職金の半分はまだ預金口座にある。ご褒美に使った金額は2割以下。調査対象は50~70代、金融資産1000万円以上の退職金を受け取った退職者3270人(出所:野村総合研究所)

このアンケートの調査対象は、少なくとも61歳から年金の一部を受け取っている恵まれた世代。それでも退職金はそう簡単に使えないようだ。

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