上の写真、枝にとまったミミズクに見えないだろうか。
正体は、ガだ。コスタリカでは、興味深い「顔」をしたガをしばしば目にする。まるでほかの生きもののようで、ぼくはいつも、いろいろと想像を膨らませている。今回は、ぼくの印象に残った、生態もちょっとヘンなガの「顔」をいくつか紹介しよう。
まずは、後ろ向きに歩くトカゲに似た幼虫。ニスタレアというシャチホコガの一種で、お尻にトカゲのような顔がついている。
この幼虫、成虫になってもヘンだった。
なんと、「枯れた枝」になるのだ。
上の写真は、枝にとまっているところを斜め上から見たところ。
頭部と胸部を横から見るとこんな感じだ。
眼の部分を毛のような鱗粉で隠し、頭部の上から突き出た部分が、枯れ枝が折れたような雰囲気を上手くかもしだしている。
そして、この「枝が折れた部分」を正面から見ると、鳥のミミズクのように見える。
風が吹いていて、眼を隠すための毛も風にあおられて、複眼があらわになっている。眼を毛で隠すときは、頭と胸の部分をクイクイクイクイっと動かして、毛を整える感じだ。
ここからは、「ガの顔、いろいろ」です。
西田賢司(にしだ けんじ)
1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学でチョウやガの生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html
1972年、大阪府生まれ。中学卒業後に米国へ渡り、大学で生物学を専攻する。1998年からコスタリカ大学でチョウやガの生態を主に研究。昆虫を見つける目のよさに定評があり、東南アジアやオーストラリア、中南米での調査も依頼される。現在は、コスタリカの大学や世界各国の研究機関から依頼を受けて、昆虫の調査やプロジェクトに携わっている。第5回「モンベル・チャレンジ・アワード」受賞。著書に『わっ! ヘンな虫 探検昆虫学者の珍虫ファイル』(徳間書店)など。
本人のホームページはhttp://www.kenjinishida.net/jp/indexjp.html
(日経ナショナル ジオグラフィック社)
(参考)「コスタリカ昆虫中心生活」が本になりました。生物多様性の国・中米コスタリカで、18年間にわたり昆虫と暮らしながら研究を続ける著者が、自ら撮影した写真と解説で、その不思議な魅力とすごさを伝えます。