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20代から始めるバラ色老後のデザイン術

40代と年金 とにかく稼いで保険料を納める 世代別公的年金理解のポイント(3)

2015/11/17

 今月は世代別の公的年金制度理解のポイントを解説しています。障害年金の意義と未納のマイナスを意識したい20歳代、結婚と子の誕生を機に遺族年金の役割が生まれる30歳代ときて、今週は40歳代と公的年金の関わりを説明します。

 40歳代といえば、仕事もプライベートも充実してくる時期ですが、ひたひたと忍び寄る「老い」を自覚し始める年代でもあります。若いころのように徹夜で遊んで翌日もばりばり仕事、というのは辛くなってきますし、体のどこかが痛み始める年ごろです。

 そして、40歳代になってくると、公的年金についての関心も自然と高まってきます。多くの場合は「複雑でよく分からないけど、あまり頼りになりそうにないなあ」という漠然とした不安イメージから始まって、少しずつ雑誌やテレビ番組などから年金知識を蓄えていくのではないでしょうか。

 誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」という書類についても、今までは気にしなかったものがだんだん興味が出てきて、開封してみるようになります。

 ところが、今得られている年金額の権利を試算した数字はごくわずかで、なんだこれは、と思う人が多いと思います。実はこれにはちゃんと理由があるのです。

■年金額の半分以上は実はこれから稼ぐ

 実はねんきん定期便に書かれている年金額は「これまでの加入実績に応じた年金額」から概算した金額に過ぎません。仮に22歳に就職して40歳になった人が見るねんきん定期便は18年分の加入履歴しか反映されていません(20歳から国民年金に加入していた期間を含めれば20年)。

 これから少なくとも60歳までは働くことになります。65歳まで働く可能性だってあります。40歳から数えて、60歳までならあと20年、65歳ならあと25年は働くわけで、働く期間(=厚生年金保険料をこれから納める期間)だけとってもまだ年金額に反映される分の半分以下しか加入していないわけです。

 ねんきん定期便に書かれている金額が少ないのは当たり前、というわけです(それでも毎年情報開示されることの意義は大きいので、過去の履歴に未納や記載情報の間違いがないかは確認しておきましょう)。また、45歳のときはハガキタイプではなく郵便タイプでより充実した「ねんきん定期便」が送られてきます。新卒で働き始めてから今までの履歴に間違いがないかよく確認し必要なら訂正の手続きを行いましょう。

■稼げる人ほど負担も重いが年金額もアップすると考える

 「それならここに書かれている金額の2倍が将来の年金見込額なのか。それでもやっぱり少ないじゃないか」と思う人もいるかもしれません。これはなかなか鋭い指摘です。

 しかし、実際には年金額は2倍以上になる可能性が高いのです。

 その理由は40歳代以降はそれまでよりも給与が高くなるからです。年功序列で誰でも年を取れば給与がアップする時代ではありません。しかし、22歳の大卒新人よりは40歳代のほうが仕事もできますし、給与は多くなるはずです。その差はちゃんと年金額にも反映されることになります。

 厚生年金保険料は「固定された率」なので、給与が高い人ほど保険料額はたくさん納めます。給与の約9%ですからかなり重い負担です。

 しかし、高い給与から高い保険料を納めた人は、低い給与から少ない保険料を納めた人より多く年金を受け取る仕組みとなっています(国民年金保険料は同じ期間加入していると誰でも同額の保険料を納め、同額の年金になる仕組み)。

 生年月日が同じ2人が同じ期間働いたとすれば、平均給与が25万円の場合と、45万円の場合、老齢厚生年金額は1.8倍違ってきます。1.8倍というのは25万円と45万円の比です。平均的な給与の差が相当あったふたりは現役時代も生活の差があったと思いますが、年金額にも差がつくのです(実際には老齢基礎年金が同額になるので、1.8倍ほど差はつかないが、それでも違いは大きい)。

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