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仕事の集中力と効率が上がる、脳の活性法

2015/11/17

日経ウーマン

 脳の性質を利用すれば、集中力も効率も、今よりもっと高められます。休み方、目標の立て方、ストレス解消法など、仕事中の脳の活性方法を専門家に聞きました。

■違う回路を働かせて脳をリフレッシュ

(C)Pixta

 「脳を効率的に働かせる一番のポイントは、上手に休ませてあげること」

 脳に関する多数の著書を持つ米山医院院長の米山公啓さんはこう話す。もっとも、休むといっても、何もせずにボーッとするばかりではない。「別の作業をしたり、体を動かしたりすることで、脳の違う回路を刺激するのが有効です」。同じ仕事ばかりでは使われる回路がずっと一緒なので、脳が飽きて集中力が落ちてしまう。脳の違う回路が働けば、新鮮な意欲が湧いてくるのだ。

 そして、意識が新しい作業に集中している間に、今まで働いていた脳の回路は休憩モードに入れる。これで、効果的に脳をリフレッシュできるという。

 また、「歩いたり、ストレッチをしたりすることもおすすめ。かなり頭がすっきりします。お茶やコーヒーを味わったり、外の景色を眺めたりして、五感を刺激するのもいいでしょう」

 もう一つ重要なのが、ストレス対策。「緊張感が高まると、脳は適度に活性化します。でもこうした時間が長く続くと、ストレスがたまり、脳の働きが格段に悪くなる。ためないように自分でコントロールすることが大事です」

 仕事中に脳をリフレッシュする方法を教えてもらったので、ぜひ試してみよう。

■まず、脳の5つの特徴を知ろう

【特徴1】集中力を保ち、効率よく作業できるのは1時間まで

 仕事中は脳が情報収集を行っている。時間とともに脳の中に情報が詰め込まれるので、効率を高めるには脳が情報を整理する時間が必要。1時間作業したら休んだり、違う作業に切り替えたりしよう。

【特徴2】別の作業をすると脳がリセットされる

 同じ仕事を続けると脳の中では同じ刺激が続くため、脳が「飽きて」しまい、集中力が落ちる。そんなときは書類整理や掃除など、全く違うことをやってみよう。別の回路が刺激され、また意欲が湧く。

【特徴3】ストレスをためると、脳の働きが悪くなる

 ストレスを受けたとき、体は全力で対抗しようとパワーを絞り出す。でもストレスが長く続くとパワーが枯渇し、脳の働きが低下してしまう。ストレスは「ためない」ことが大事。少しずつでも解消していこう。

【特徴4】「目標」があると脳は頑張れる

 脳は目標を達成することが大好き。やり遂げると、ドーパミン神経が働いて強い快感を覚えるからだ。そして「達成した」という自信が、さらなる集中力を引き出す。実現可能な目標をうまく設定しよう。

【特徴5】炭水化物は脳の効率アップ食材

 脳の主要なエネルギー源は血液中のブドウ糖。これは主に食事中の炭水化物から作られる。朝ごはんは米やパンなどをきちんと取り入れよう。日中も、疲れを感じたらチョコを食べて脳に栄養補給を。

■脳が活性化する仕事スケジュールはこれ

午前中:仕事開始は「すぐできる」作業から

 始業時から一気に集中力を上げるには、「すぐに終わる仕事」から取り組むのがよい。前日の仕事の続きや、簡単な作業を終え、早々に達成感を得ることが次への意欲につながる。

ランチ前30分:苦手な仕事を片づける

 苦手な仕事や単調な作業は、後回しになりがち。でもためてしまうとストレスになる。時間を区切り、「終わったらランチ」を目標にサクサクこなそう。

午後:打ち合わせや会議でアイデア出し

 食後は血糖値が上がって脳が元気を取り戻すとき。クリエーティブな仕事はここで。でも長時間続けると集中力が落ちる。1時間ごとにブレイクをとろう。

14時:チョコレートで脳に栄養補給

 眠気が出やすい14時頃。チョコでブドウ糖を補給すれば眠気も吹き飛ぶ。可能なら冷蔵庫で冷やしておけば、甘さと冷たさで脳が一層活性化する。

夕方:1時間刻みでデスクワークや作業に集中

 疲労がたまってくる夕方。1時間刻みで違う仕事にシフトしよう。その都度脳がリフレッシュして新鮮な気分になる。可能なら、歩くなど体を動かすのも効果的。

退社前:片づけをして翌日の予定を立てる

 デスクの上を整理し、余計なものを捨てると脳が快感を覚え、ストレスも解消される。片づけの後は、次の日の朝に最初に取り組む仕事を決めて、スタートダッシュに備えよう。

脳は、目標を達成すると快感を覚える。仕事のステップを細かく区切り、自分のペースに合わせて「午前中はここまで」などと無理のない締め切りを決めて守り、達成感を味わおう
一つの仕事に取り組むときは、ほかのことを忘れて集中するほうがいい。関係のない書類は目の届かないところへ片づけよう。必然的に、目の前の仕事に集中して取り組むことができる

問い合わせへのメール返信や、経費精算など、自分にとって“ちょっと面倒”と思っている作業が積み重なって残ると、思い出したときに脳がストレスを感じやすい。早めに片づけて
一つの仕事への集中力が続くのは1時間まで。どんなに調子がよくても、それ以上続けると、やがて効率も集中力も落ちる。長時間にわたる作業は1時間ごとに手を休め、気分転換を

外出する時間があれば、コンビニなどに行き、商品を手に取って選び、(場合によって)店員と話をして、お釣りが出ないように計算して小銭で支払おう。買い物は、脳の気分転換になる
ランチ直後は血液が胃腸に集中し、頭が少しぼんやりする。絶好の休息タイムと捉え、ランチタイム1時間のうち、15分程度目を閉じるか、仮眠を。脳が格段にリフレッシュする

午後の仕事に向けてもう一度集中力を高めるには、気分転換に他部署の人と話してみるといい。ちょっとした緊張感が働くので、アドレナリンが作用して集中力が高まる

脳を覚醒させる一番いい方法は、筋肉を動かし血流をアップさせること。椅子から立ち上がり、歩いたり軽くストレッチしたりして。書類を読む作業なら立ってでもできるので、やってみよう
スクラップ作りは、“選び、切り取り、バランスよく貼る”といった、瞬時に判断しなくてはいけない作業が続き、様々な角度から脳が刺激される。手作業なので、筋肉も刺激される

普段あまり意識を向けていない感覚が刺激されると、脳が驚いて覚醒する。いつものコーヒーも、あえて目を閉じて飲み、鼻と舌でじっくり味わってみると、脳に新しい刺激を与えられる
できればティーバッグではなく、急須を使ってお茶を入れてみよう。茶葉の量、お湯の注ぎ方などに気を配る動作が、仕事とは違う脳を活性化する。お茶の香りも、新鮮な刺激に

眠くなるのは、同じ仕事を続けすぎて脳が飽きたからかも。全く違う業務、例えばキャビネットの資料整理などをやってみよう。資料を整える作業は脳をリフレッシュしてくれる

この人に聞きました

米山公啓さん
 米山医院院長。作家、神経内科医。52年山梨県生まれ。聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を98年に退職し、現職。『できる人の脳が冴える30の習慣』(中経出版)、『「健康」という病』(集英社)など、著書は250冊以上にも及ぶ

(ライター 北村昌陽)

[日経WOMAN別冊 『毎日がもっと充実! 朝と夜の新習慣』掲載記事を再構成]

毎日がもっと充実! 朝と夜の新習慣(日経ホームマガジン) (日経WOMAN別冊)

著者:
出版:日経BP社
価格:880円(税込み)

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