富裕層最大の投資は「教育」 海外で語学と人脈づくり

日経マネー

日本の「超富裕層」たちは何に関心があり、どんな金融サービスを利用しているのか…。かつて野村証券で金融資産10億円を超える大手顧客を対象としたプライベートバンク部門で辣腕をふるったZUU社長兼CEO(最高経営責任者)の冨田和成氏が、超富裕層の実態を解説します。

「お金がお金を呼ぶ」とは、金融の世界でよく使われる言葉です。一方、富裕層向けのプライベートバンクの世界では、これをもじって「富裕層が富裕層を生む」という言葉を使ったりします。これは、単に、富裕層が資産を保有しているからではありません。最も大きな要因は「教育」と考えられています。そして、多くの富裕層もそれを理解しているのです。

世界金融危機が発生した2008年頃からでしょうか。日本の富裕層の海外移住が急増しました。東日本大震災後の海外逃避も重なり、ピーク時はシンガポールにある日本人の資産が1兆円を超えていた、などという噂まであります。こうした富裕層の海外移住は、メディアで話題を呼びました。

メディアが語らない海外移住の「別の理由」

しかし、メディアが報じる海外移住の理由は、「日本の高い税制からの脱出」「海外での起業のため」「放射線の影響を危惧して」など。富裕層にとって、それと同じくらい大きな理由が「子女教育のため」なのです。

娘の教育のためにシンガポールに移住したジム・ロジャーズ氏

幼い頃からグローバル社会を視野に入れ、子供に語学や海外でも通用する教養を身に付けさせることは、高い学力の獲得だけでなく、世界中に人脈のネットワークを作ることにもつながります。富裕層はそうした教育環境に子供を置くことの重要性を強く理解し、高度な子女教育が得られる環境を世界中から選択しています。これこそが「富裕層は富裕層を生む」という好循環を作り出しているのです。

中でも注目したいのが、海外留学です。富裕層は、子供を「真のエリート」に育てるために時間とお金を惜しみなく使います。例えば、米国の大富豪投資家ジム・ロジャーズ氏は、娘の教育のためにシンガポールに移住し、トップクラスのローカルスクールに入学させています。これは、今後の世界経済を見据え、娘が中華圏の言語や文化への理解を深められるようにという理由だそうです。

日本の富裕層も同様に教育に情熱を注ぎ、ハイレベルな海外留学を行う親が増えています。ロジャーズ氏のように家族全員で移住するケースは少ないにしても、世界各国に子供を留学で送り出すことが多いようです。中でも、ボーディングスクール(全寮制・寄宿学校)が人気となっています。

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