ヒーローズの新章が日米でスタート
海外ドラマはやめられない!~今 祥枝
世界各地で突然、特殊能力に覚醒した平凡な人々が、地球を救うために活躍する大ヒットシリーズ『HEROES/ヒーローズ』(2006~10年)。同作の生みの親で製作総指揮を務めたティム・クリングが、全13話で5年後を舞台に描いた新章が『HEROES Reborn/ヒーローズ・リボーン』です。本国では2015年9月24日(現地時間)よりNBCで放送スタート。日本でも10月20日、動画配信サービスのHuluで配信が始まりました。
オリジナル・シリーズで日本人のオタクのサラリーマン、ヒロ・ヤマガタを演じたマシ・オカさんが、作品のPRのために9月初旬に来日しました。今作では超能力者(ヒーローズ)の存在は世間に知られていますが、1年前のテロ攻撃の責任が問われ、身を隠して生きることを余儀なくされている状態。そうした次世代のヒーローズの間で伝説となっているのが、ヒロらオリジナルのメンバーです。
日本とアメリカの架け橋に
「今回は3話へのゲスト出演ですが、出演していなくても名前はちょこちょこ出てきます。物語の鍵を握る存在と言えるでしょう。多くのシーンは、オリジナルメンバーのミスター・ベネット役のジャック・コールマンと一緒で、新キャストでは4人と関わっています。これ以上は、もう守秘義務があるので言えない(笑)。おなじみの台詞『ヤッター!』はありますよ。ただ、ヒロは相変わらず無邪気さはあるし純粋だけど、会社の経営者になっていて大人になった。時間の経過による変化はありますから、以前と全く同じヤッターではないかもしれません」
近年、真田広之や福島リラなど日本人俳優が米国テレビドラマに出演する機会は増えており、本作にも祐真キキや内門徹など、日本人俳優が多く出演しています。それについて東京生まれの日本人であるマシ・オカさんは、以前から訴えているように英語がネイティブでないと役柄の幅が狭まってしまい、それが残念だと言います。
そうした状況に対し、「もっと日本人が世界で活躍できるよう、日本とアメリカの架け橋になりたい」とマシ・オカさん。
「作り手の側としての実績を積み重ねて、発言権を持つことが大切。僕は自分のゲーム会社を経営しているし、テレビでコメディ番組の企画がひとつ売れたので現在脚本を執筆しています。また、ハリウッド版『デスノート』ではプロデューサーとして関わっています。いろんなところで実力を上げていけば、日本のタレントさんや監督さんのお役に立てることも増えていくと思っています」
マシ・オカさんの日米をつなぐ活躍を楽しみにしたいと思います。
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今月のオススメドラマ
『ストレイン 沈黙のエクリプス』
デル・トロ監督が世界の終末を描くサスペンス
映画『パシフィック・リム』の監督ギレルモ・デル・トロが、映画『ザ・タウン』の原作者チャック・ホーガンとの共著による、全3部作のSFアクション小説「ストレイン」シリーズを映像化。デル・トロ自ら製作総指揮・脚本・エピソード監督を手がけた入魂の大型シリーズだ。
アメリカのジョン・F・ケネディ空港に着陸した旅客機で、異変が起こる。乗員乗客206名の死亡が確認され、生存者は4名。未知のウィルスによる感染が疑われ、CDC(疾病対策センター)のチームが現場対応にあたるが、貨物室にあった不気味な棺や奇妙な線虫、さらに死者が次々と息を吹き返すなど異常事態に。未曾有の脅威から人類を守るため、CDCの精鋭チームと事態の秘密を知る者たちが謎の解明に挑む。自他共に認める"オタク監督"、デル・トロのこだわりが炸裂したクリーチャーや、迫力のVFXも見もの。映画並みのスケール感で、世界の終末をスペクタクルに描き出す。
出演は、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のコリー・ストール、「ハリー・ポッター」シリーズのデイビッド・ブラッドリーほか。製作総指揮にはデル・トロのほか、『LOST』『ベイツ・モーテル』などのヒットメーカー、カールトン・キューズが名を連ねる。
映画&海外ドラマライター。女性誌、情報誌、ウェブ等に映画評やインタビュー等を寄稿。「BAILA バイラ」「eclat エクラ」「日経エンタテインメント!」映画サイト「シネマトゥデイ」などに連載中。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP社)。
[日経エンタテインメント! 2015年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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