栄養士が教える40代からの食べ方「正解・不正解」

日経ウーマン

40歳を超えると、少し食べ過ぎただけで太りやすくなり、体重もなかなか戻りません。スリムな体形を健康的に維持する食事のルールはあるのでしょうか。40代の女性栄養士が実践する、太らない食べ方を紹介します。
西谷洋子さん(42歳) DeSCヘルスケアKenCoM営業部 管理栄養士。ディー・エヌ・エーと住友商事の合弁会社DeSCヘルスケアで、健康保険組合向けのウェブサービス「KenCoM」の営業活動や、健康に関する情報の発信などを行っている。身長:168cm 体重:51kg (写真:渡辺茂樹)

「多品目食」で太らない

ダイエット外来での栄養指導の経験を持ち、現在はDeSCヘルスケアが運用する健康保険組合向けのウェブサービスに携わる西谷洋子さん。

「40歳を過ぎてから太りやすくなったという実感は持っています」。体質の変化を感じながらもスリムな体形を維持するために心がけているのは、食事の品目数を減らさないこと。品目が少ないと、炭水化物や脂質の燃焼に必要な栄養素が十分に取れなくなるためだ。必然的に食事の量も減らしていない。

「炭水化物、脂質、たんぱく質が『燃料』なら、それを燃やしてエネルギーにする『着火剤』の働きをするビタミンやミネラルが必要。特に燃焼効果の高いビタミンB群を補うために、肉、魚、野菜などをしっかり食べます」

また、腸内環境を整えるために発酵食品や食物繊維を取ることも意識。「朝晩の食後にヤクルトを飲んで乳酸菌を取り、さらに朝食のヨーグルトはビフィズス菌入りを選択。異なる種類の善玉菌を取り入れることで、整腸作用も高まるようです」。仕事中におなかがすいたときは、チーズなどを一口食べるそう。「空腹時に炭水化物を取ると、血糖値が乱高下して余計に食べたくなるので、たんぱく質を取るようにしています」

(C)Pixta

Q1.朝食でパンを食べるなら?

× パンとコーヒーのみ

パン、卵、ヨーグルト、果物など

パンの炭水化物や脂質を燃焼させるビタミンB群を卵で取り、腸内環境を整える善玉菌をヨーグルトで摂取。ヨーグルトには寒天ゼリーを入れ、善玉菌の栄養源になる食物繊維を取る。

Q2.ランチを外で買うなら?

× 牛丼弁当

多品目のお弁当

ランチの定番は会社の福利厚生サービスで出るお弁当。「肉などの主菜に加え、ヒジキや、青菜、にんじん、ごぼうなど野菜の種類が多いメニューに。雑穀米ご飯のお弁当もよく選びます」

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Q3.仕事中におなかがすいたら?

× 甘い清涼飲料水で糖分を補給

チーズなどで小腹を満たす

間食には糖質よりも、血糖値が上がりにくく、たんぱく質が取れるものを。「コンビニに売っている燻製チーズとチーズ鱈をデスクに常備。甘いお菓子は、もらったときだけいただきます」

Q4.ヘルシーな夕食を食べるなら?

× 豆腐、サラダ、うどん

魚、煮物、味噌汁、麦ご飯

麦ご飯で食物繊維を、骨まで軟らかく煮た魚でカルシウムを摂取。レンコンの煮物や野菜を大きく切った味噌汁も添え、よくかんで満腹感を得る。「22時を過ぎたら汁ものだけにします」。

柏原ゆきよさん(42歳) 一般社団法人日本健康食育協会代表理事、管理栄養士。医療機関の栄養コンサルタントや飲食店のメニュー開発支援、企業の商品開発などに携わり、4万人以上の食事をサポート。著書に『10日間で人生が変わる食べ方』(学研パブリッシング)など。身長:161cm 体重:53kg (写真:洞澤佐智子)

「ご飯食」で太らない

「米を食べてやせる」という食生活を提案する柏原ゆきよさんは、1日に2合もご飯を食べるそう。「数多くの食事のアドバイスをするなかで、『健康的にやせている人はご飯を食べている』と気づきました。私自身もおかずを減らし、ご飯中心の食事に切り替えてみると、冷えや便秘が解消。しっかり食べても太らなくなりました」。

ご飯の9割以上を占める炭水化物は、脂質、たんぱく質に比べてエネルギーに変わりやすい。「脂質などよりも燃えやすく体にたまりにくい炭水化物をよくかんで食べることで、体温や基礎代謝が上がりやすくなります」。一般的に体温が1℃以上上がると基礎代謝は12%アップすると言われているそう。

ダイエットのために炭水化物を抜く人も多いが、炭水化物が不足することで代謝が悪くなりやすく、やせにくくなるだけでなく、さまざまな不調を引き起こす恐れもある。また、同じ炭水化物でも、粒状のご飯はパンよりかむ回数が増えて満腹感が得られ、間食も防げるという。

「ご飯はミネラルやビタミンが豊富な雑穀を加えると、よりエネルギーとして燃焼されやすくなり、やせ体質に。老廃物を出してくれる食物繊維もしっかり取ることができます」

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Q1.体を温める食べ方は?

× 野菜をたくさん食べる

ご飯をたくさん食べる

野菜は体を冷やすものも多いが、ご飯は食べるとすぐにエネルギーとして燃焼され、体が温まりやすい。「ご飯を積極的に食べることで基礎代謝が上がり、やせやすい体質になります」。

Q2.たくさん食べても太りにくい体質になるには?

× 炭水化物をできるだけ食べない

ご飯を雑穀米にする

白米よりも、ミネラルやビタミンが豊富な雑穀米を食べることで、炭水化物や脂質の燃焼効果が高まる。また雑穀米は食物繊維が豊富なので、便秘の解消効果も期待でき、太りにくくなる。

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Q3.カロリーが多そうな外食、量を調整するなら?

× ご飯を残す

メインのおかずを残す

ご飯の量が少ないと体温が上がりにくくなる上、満腹感を得るために脂質を取り過ぎる恐れも。「量が多ければ、ご飯よりもおかずを減らして。ご飯6に対しておかず4の割合が理想です」。

Q4.食べ過ぎた翌日、何を食べる?

× ダイエットバーだけで済ませる

毎食、ご飯と味噌汁にする

食べ過ぎたからといって食事量を極端に減らすと、胃腸をしっかり動かすことができず、代謝が落ちてしまう。「ご飯と味噌汁だけの食事にして、代謝を維持しながら胃を軽くしましょう」。

(ライター 氏家裕子、工藤花衣)

[日経WOMAN 2015年11月号記事を再構成]