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福岡市、なぜ「バス王国」? 鉄道とバスの会社が統合

地形や都市の規模も関係

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NIKKEI STYLE

 福岡市に引っ越して路線バスが多いと感じる人は多い。市営地下鉄沿線で転居先の家を探した経緯を語れば、古くから住む人に「バスが便利なのにねえ」と言われたことがきっとあるはずだ。目抜き通りでバスが何台も連なる光景はおなじみだ。なぜこれほどまでにバスが福岡市民の足となったのだろうか。その存在感の背景を探った。

福岡市内の路線バスを運行しているのは西日本鉄道。社名に鉄道とあるのにバス保有台数が多いことは全国でも有名だ。福岡市外を走るグループ会社を合わせると今春で2836台と国内1位。2位の神奈川中央交通グループより800台近く多いという。

グループの路線バスの輸送人員は1日当たり73万5000人で、年間約2億6800万人。年間走行距離は約1億5000万キロメートルと1日に地球約10周分に相当する。

自家用車の普及などにより輸送人員はピークと比べれば減った。1960年代には1日148万人と現在の2倍の人を運んでいた。バスの保有台数も80年代半ばには3600台を超えていた。それでもグループのバス事業は2015年3月期で13億円の営業利益(単純集計)を上げている。

そもそも西鉄が福岡市で路線バス運行をほぼ一手に握っているのはその誕生に起因している。昭和初期の福岡市では地元の名士などがバスを保有し、集落と鉄道の駅までを結ぶ手段として運行していた。行政の許認可も簡易で200を超える事業者が乱立していたようだ。鉄道運行会社は自社でバスを運行したり、中小バス会社を吸収したりして対抗した。

第2次世界大戦中の1942年、政府の意向を背景に、現在の西鉄大牟田線を抱える九州鉄道や北九州の路面電車を運行していた九州電気軌道など鉄道事業者5社が合併して西鉄が誕生する。行政の意向を受けてバス会社も統合する。西鉄は43年に福岡県内など47のバス事業者を合併し、戦後の圧倒的な規模のバス事業者となる基盤が固まった。

戦後の復興ではバスが活躍した。西鉄は新車両の大量投入などで台数を増やした。高度経済成長時代には福岡市の人口が年間で1万人以上増える状況に突入し、手っ取り早い交通網の整備手段として西鉄は鉄道よりバスを選んだ。鉄道の新設計画もあったようだが、経済成長による物資高騰や鉄道整備に時間がかかることがバス網を整える要因となったらしい。

西鉄で社史を編集し福岡の交通の変遷にも詳しい広報課アーカイブ担当の吉富実課長は「新しい道路と団地ができたらまずバスを走らせろという雰囲気があったようだ」と話す。道路の整備が進み、西鉄は福岡市内だけでなく、北九州市など周辺都市を結ぶ中間距離路線や、大阪や東京への長距離路線もバスを拡充していった。

バスが福岡で普及している理由は地形や都市の規模にも関係がありそうだ。交通計画や都市計画を研究する福岡大学工学部の辰巳浩教授は「海や山に囲まれ、都市の中心部が天神と博多に集中しており、公共交通が発展しやすかった」と指摘する。周辺地域から市街地に向けて路線を延ばせば人々の利用が見込めた。

現在の福岡市の人口は150万人。この規模の都市では「今以上に鉄道が増えていたとしても採算が合わないだろう」と分析する。

市民の足として親しまれ、受け入れられてきた福岡市のバス。一層発展するために課題となるのは中心部の渋滞解消だ。西鉄では郊外から中心部を通過してその先に向かう路線が多く、渋滞の一因になっている。そこで2013年に中心部のみを走る幹線を設け、郊外から来るバスを周辺で乗り換える策を採用、中心部のバス通過本数を削減した。

さらに新しい動きもある。福岡市と西鉄が連携し16年度から導入する、車体を2台つなげた連節バスだ。福岡市がバス停の整備などを進め、バス高速輸送システム(BRT)として天神地区と博多駅、港湾部を循環させる。

基幹公共交通として「システム全体で使いやすいものにする」(福岡市公共交通推進課)という。訪日外国人客も増える福岡市で、バスは利便性向上や渋滞解消といった夢も乗せて走る。

(西部支社 川名如広)

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