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おひとりさま女性、「複利を味方」で明るい老後

2015/10/24

40歳前後で結婚していない「おひとりさま」の女性が増えている。生涯未婚の女性はおよそ7人に1人。この15年間で2.6倍になった。そのまま独りで暮らすなら老後の資金を自分で用意しなければならず、不安を感じる人も少なくない。もっとも、早い時期に家計にメスを入れ、貯蓄と運用で計画的に資産を形成していけば明るい展望が開ける可能性がある。

「貯金ができるようになって気持ちに余裕が出てきた。やればできるんですね」。9月初旬、家計コンサルティング会社のマイエフピー(東京・渋谷)を訪れた会社員のA子さん(44)の表情は晴れやかだった。家計のやりくりができずに貯金を減らしていた昨年暮れ、同社の家計相談サービスを知り、思い切って1年コースを受講した。

■無駄遣いは削る

A子さんは都内の賃貸アパートで母親(74)と2人暮らし。年金が十分ではない母親のため月6万円の家賃を出したり、お小遣いをあげたりしている。さらに休日に友人と遊びに出たりすると月21万円の手取りでは足りなかったが、家計簿の作成や定期的な面談指導で月3万円の黒字が出るようになったという。

同社代表でファイナンシャルプランナー(FP)の横山光昭氏が助言したのが消費と浪費を区別すること。「母が夕食を作ってくれるのに仕事帰りについファミリーレストランに寄ったりするのは浪費だった」とA子さん。現在の金融資産は預貯金が約100万円と、亡父から相続した国債などが約500万円。「投資にも挑戦して、老後のために2000万円くらいためておきたい」と話す。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2015年の女性の生涯未婚率は14.9%。今後も上昇する見通しで、35年にはほぼ5人に1人がおひとりさまという時代を迎える。女性の未婚率は男性を下回るが、厚生労働省の「簡易生命表」によると40歳女性の平均余命は47.55年と同い年の男性に比べ6年近くも長い。配偶者や子どもの助けがなく介護サービスなどの支出がかさむリスクを意識して、老後資金は多めに準備することが必要だ。

ところが賃金構造基本統計調査では、フルタイムで働く40~44歳女性の年間給与は正社員で441万円、派遣社員などで251万円と、いずれも男性の7割強しかない。これは将来の年金にも響くから、おひとりさま女子の不安の種だ。みずほ情報総研の藤森克彦主席研究員は「おひとりさまは子どもの教育費の支出がない。その分を何に充てるかで老後の暮らしが左右される」と指摘する。

「結婚はしない」と周囲に公言しているB子さん(35)は都内の病院の事務職で年収は400万円ほど。「年金は当てにならないから、老後資金は自分でつくる」と7年前に資産運用を始めた。200万円の元手と実家での節約生活で月10万円の予算を捻出し、国内外の株式、債券などで運用する上場投資信託(ETF)8本と米国株式で2000万円に増やした。

B子さんは長期投資がモットー。まずインデックス型の投資信託を積み立てで買い、ある程度の額になったらコストがより低いETFに移す「リレー投資」をしている。米国株の銘柄は配当を重視して選んだ。投資経験を積んだことから「相場は上がったり下がったりしながら長期的には右肩上がりになる」とみていて、短期的な乱高下に動じなくなったという。

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