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不動産リポート

中古住宅選び、情報収集に4つのアプローチ 不動産コンサルタント 長嶋修

2015/10/21

 これまで新築一戸建てについて建築中や完成時のチェックポイントについてお話ししてきたが、今回から「中古住宅の買い方」に移る。まずは情報の集め方だ。中古物件の情報収集には、主に「チラシ」「仲介会社からのヒアリング」「設計図面」「現地の物件そのもの」という4つのアプローチがある。

■売り主の「売却理由」をチェック

 「チラシ」でおさえておきたいポイントは4つ。「建物の築年月日」「概略平面図」「建物の構造・規模」と「車庫の有無」だ。築年数や平面図の壁の配置具合で、おおまかな耐震性能を把握しておこう。車庫は、ビルトインなのか独立型か、あるいはスペースのみなのかも確認したい。

 仲介会社に必ずヒアリングしておきたいのは2点。まず、売り主の「売却理由」だ。例えば「事件や事故があった」、あるいは「環境が悪化したから」「近隣でのトラブルがあったから」というような懸念がないのか、きちんと聞いておきたい。もう一つは、「施工会社とハウスメーカーについて」。瑕疵(かし)保証の継続ができるかどうか、設計図面の有無などについて確認しておくことが大切だ。

 「設計図面(竣工図書)」がある場合は、性能や配慮など、建物に関するあらゆることがそこから読み取れる。ご自身で内容を理解することが困難な場合、専門家に相談するのも有効だ。図面からは、「建物の工法」「耐震壁の位置・量や耐震性能」「耐久性」「断熱性」「遮音性」「安全性」、そして将来の増改築がどれだけ可能になるかという「可変性」といった7つのポイントを確認しておこう。

 最後は「現地で物件そのもの」を確認すること。中古住宅は実際に現物を確認できるのが最大のメリットだ。また、図面でさまざまな配慮がなされていても、図面通りきちんと施工されていなければ、設計計画上の性能は期待できない。ポイントを押さえたうえで、しっかり確認したい。

 まずは、設計図面と実際の建物があっているかどうか。確認申請書と実際の建物があっていないケースもあるからだ。また、無届けで増改築しているケースも多く、その場合、現行の法規制に合っているのかどうかも確認する必要がある。

 次に、中古住宅の取引について。中古住宅の取引パターンは大きく3つある。取引パターンは「取引態様」としてチラシなどに記載されているので、必ず目を通しておこう。

■「3%+6万円」は上限

 取引態様の1番目は「売り主」。文字通り、不動産業者が売り主となって、購入者に直接販売されるパターン。個人から買い取ったり、競売物件を落札したりした物件を、内外装のリフォームなどの手を加えることで利益をのせ、販売するケースがこれに当たる。売り主と直接のやり取りであるため仲介手数料はかからない。

 2番目は「代理」。売り主と代理販売契約を結んで、契約行為までの代理を任された不動産業者が販売するパターン。3~6%程度の代理手数料がかかるのが一般的だ。

 3番目が「仲介(媒介)」。売り主である個人などから仲介(媒介)の依頼を受けた仲介業者が、購入者を探すパターンで、中古住宅販売では最も多いケースだ。仲介手数料がかかるが、「3%+6万円」の仲介手数料を、「法定手数料」などと説明する担当者がよくいるが、宅地建物取引業法では、あくまでも3%+6万円というのは「上限」であることを、覚えておこう。

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