カラフルさとパフォーマンス力で魅了 E-girls日経エンタテインメント!

過去3枚のアルバムはすべてオリコン1位。2015年にはさいたまスーパーアリーナのライブに2万5000人を動員するなど、活動5年目に突入したE-girlsが好調だ。女性グループが多数あるなか、彼女たちはどうやって存在感を高めてきたのか。

EXILEの妹分的な存在で、ハッピーでキャッチーな楽曲と明るく元気なパフォーマンスが魅力のE-girls。2011年12月にデビューし、これまでリリースしたアルバムは3作すべてがチャート1位を記録。2015年春には2度目のアリーナツアーを開催し、最終日のさいたまスーパーアリーナには2万5000人を動員するなど、年々存在感を高めている。

衣装はあえてバラバラに

だが、結成当初から順風満帆だったわけではない。E-girlsは、もともと所属事務所のLDHで別々に活動していたDream、Happiness、Flowerのメンバーを中心に結成されたユニット。それまで各グループの楽曲はチャート上位などになかなか入れず、女性アイドルやダンス&ボーカルグループが群雄割拠するなかで苦戦。その打開策として始動したという経緯がある。デビュー当時は方向性も定まり切らず、メンバーのAmiも「正直、みんなこの先どうなるんだろうと不安を抱えながらスタートした感じでしたね」と振り返る。

E-girlsにとって、大きな転機となったのは、3rdシングルの『Follow Me』(2)(2012年11月)だ。「もともと高い身体能力から生み出される本格的なダンスパフォーマンスには定評があったが、この曲でグループのカラーも明確になり、同世代の女性から圧倒的に支持されるようになった」と、LDHのE-girlsチーフマネージャー・村山浩一氏は振り返る。

『Follow Me』では、それまでの全員参加型から、曲調に合わせて参加メンバーを組み替える「ベストフォーメーション」へと変更。同時に、個々のキャラクターを際立たせることに注力した。楽曲制作を担当するエイベックス・ミュージック・クリエイティブのLDHルーム統括課長・小野展稔氏は、「メンバーは10代前半から20代半ばまでと年齢の幅が広く、声質や得意なパフォーマンスも違う。そのカラフルさを全面に出そうと考えた」と話す。

ミュージックビデオでは、メンバーがそれぞれスタイルもカラーも違う衣装に身を包んで登場。全員が制服のように似た衣装で踊るアイドルグループとは違う魅力を印象付けた。さらに、男の子に向かって「私についてきて」と言う活発な女の子目線の歌詞、キャッチーでポップな楽曲で同性ファンの心をがっちりつかんだ。

こうした女の子が主役の楽曲は、翌2013年3月のポジティブな女子応援ソング『CANDY SMILE』、ユーモラスな『ごめんなさいのKissing You』(4)(13年10月)などに継承されていく。この間に出た1stアルバム『Lesson1』(3)(13年4月)はチャート1位を記録。同年末にはNHKの『紅白歌合戦』に初出場するなど、グループの個性が明確化したことで、結果もついてきた。

テクノの名曲カバーで新境地

翌2014年頃からは、さらなるファン層の拡大を目指した試みも始まった。それが新たなサウンドへの挑戦と個人活動の活発化だ。

音楽面で大きなチャレンジだったのが、14年3月の2ndアルバム『COLORFUL POP』(5)。リード曲として、80年代にヒットしたYMOの『RYDEEN』に歌詞をつけてカバー。「これまでになかったクールさやエッジーさを取り入れたことで、多くのクリエイターやアンダーグラウンドのDJにまで注目してもらえるきっかけになった」(小野氏)と言う。

14年7月のシングル『E.G.Anthem-WE ARE VENUS-』(6)では、パワフルなダンスロックに挑戦。その翌月には、国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』(フジ系)のオープニング曲『おどるポンポコリン』(7)をカバーするなど、振り幅を広げた。

E-girls初のソロデビューを果たしたDream Ami(写真:藤本和史)

ソロ活動では音楽以外の分野にも積極的に進出。明るいキャラクターのAmiなどはバラエティ番組に欠かせない存在に。14年1月期のドラマ『恋文日和』ではメンバー10名が週替わりで主演を務め、「ポカリスエット」のCMで注目された最年少メンバーの石井杏奈は映画『ガールズ★ステップ』で主演を務めるなど、女優業に挑むメンバーも少なくない。さらに藤井萩花(しゅうか、Flower)と夏恋(かれん、Happiness)の姉妹は『JJ』、楓(Happiness)は『CanCam』、佐藤晴美(Flower)は『Ray』など、人気女性誌の専属モデルとしても活躍している。

触れる間口が広がったことで、ファン層は拡大。デビュー当初は9割以上が若い女性ファンで占められていたが、今春開催されたアリーナツアーでは、子ども連れや男性ファンの姿も増えた。

そしてE-girlsとしての活動5年目を迎える今年は、他ジャンルへの拡散は継続しながら、“本業”であるパフォーマンス面での再強化への動きが目立つ。

メンバー6人が再修行に

2015年1月にはメンバーを昨年までの26人から20人へと再編。育成をメインとした下部組織の「Rabbits」(高校生以上)へ5人、「Bunnies」(中学生以下)へ1人が移ることとなった。

「LDHのアーティストは、その多くが全国各地を回ってパフォーマンスを披露する武者修行を経験しています。まだ、経験値の少ないメンバーが現場の温度感を体感し、少しでも自立させ鍛えたいということが大きな目的です」(村山氏)と言う。

LDH内の女性グループはE-girlsが頂点に位置する。これを構成するグループとして、Dream、Happiness、Flowerが存在。その下には育成や修行を目的としたRabbitsとBunniesが控える。E-girlsのメンバーは毎年見直され、昇降格が発生する
今年6~7月、初の単独ツアーとして全国5カ所9公演を開催したFlower。E-girlsのほか各グループでの活動も活発化している

さらに、Flowerは初めての単独ツアーを開催。Dream AmiはE-girls初のソロデビューを果たすなど、個々のグループや個人でも、音楽活動への取り組みが活発化している。

こうした中、9月30日に発売したニューシングル『DanceDanceDance』は“史上最高のダンス・グルーヴ”をうたい、E-girlsのニューサウンド&スタイルの幕開けを担う作品とアナウンスされている。活動の幅も、パフォーマンスの質も、とどまることのないE-girls。勢いはまだまだ収まりそうにない。

(ライター 橘川有子)

[日経エンタテインメント! 2015年10月号の記事を再構成]

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