波乱相場で健闘した投信 資産防衛の選択肢に

この夏以降の波乱相場でヘッジファンド型の投資信託の健闘ぶりが目を引いた。なにか危ない印象を持つかもしれないが、採用する戦略によってリスクは異なる。上手に選んで活用すると資産全体の値動きを安定させる効果があるという。

米国の利上げ観測と中国景気の変調を背景に、世界の株価が急落した8月。多くの投信の運用成績が悪化するなかで、基準価格が逆行高するファンドがあった。ヘッジファンドに分類される投信だ。

一例が野村アセットマネジメントのノムラ・グローバルトレンド(円コース・年2回決算型)。日経平均株価が月間で8%、米S&P500が6%強下落した8月に、基準価格は4.2%上昇した(グラフA)。

同ファンドはCTA(商品投資顧問)と呼ばれるヘッジファンドで、CTA大手の英マン・グループが運用する。世界の株価指数や国債、通貨、金や原油、大豆などコモディティーの先物が投資対象で、上げ相場では買い、下げ相場では売りで利益を追求する。この夏は世界的な株価とコモディティー価格の下落が格好の収益機会になった。

絶対リターン追求

ブラックロックが運用するサイエンティフィック・エクイティ・ファンドも8月は基準価格が2.3%上昇した。こちらは米国株を主な投資対象としたロング・ショート戦略のヘッジファンド。株価が割高と判断した銘柄を売って割安な銘柄を買い、どんな相場局面でも安定した運用成績を狙う投資手法だ。

ヘッジファンドに共通するのは、相場が上昇しても下落しても利益を上げる絶対リターンを追求していること。通常の株式投信のように買い持ちだけだと株価が下がれば損失が生じるため、積極的に空売りや先物売りも活用する。

多様な運用戦略があり、ファンドマネジャーの腕前や活用する計量モデルの精度で運用成績が低迷するものもあるが、国内でもそれなりの実績を上げてきたヘッジファンド型投信が少しずつ増えている(表B)。

もっとも、絶対リターンを期待してすぐに飛びつくのは早計だ。ヘッジファンドは運用戦略によって得意な相場局面、苦手な局面があるからで、それぞれのファンドの特徴をよく理解しておかなければならない。

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