2015/10/6

税務署は見ている

買いたいという人がいて、売りますという人がいる。国税当局も、売買が成立することについて、何ら異論はないでしょう。B男さんは、昨年、毎月、一定の金額が手元に残るように計画を立て、せどりを続けていました。B男さんは独身で、親の実家に住んでいるので、家賃や水道光熱費などはいりません。食事は母親が作ってくれるので、食費も必要ありません。

税務署が調査に来ないからといって無申告が認められたわけではない

仕入れた商品は、自分の部屋の中に山積みになっていました。昨年の暮れ、12月に入った時点でB男さんは、預金通帳の残高を確認してみると7桁の数字になっていました。こんなにお金があるのなら申告しないといけなくなるかもしれないと思い、年内に商品を買い集めお金を使いきったというのでした。

B男さんは、税金とは、手元に残ったお金に掛けられるものだと思ったようですが、それは間違いです。

売上金額-必要経費=所得金額

この数式は帳簿上の計算式です。仕入れは必要経費の中に含まれますが、その商品が売れて初めて、必要経費として計上できるのです。

税務署はもうかったからといってすぐに税務調査に行くわけではありません。税務調査はほとんどの場合、3年分の所得を調べ、3年分の追加の税金を納めてもらうという仕組みになっているからです。例外として、フリーランスから法人になった場合や、税務調査の対象になった場合に、関係取引先などに税務署が調査をする「反面調査」などの場合は、3年を待たずに税務署が来ることもあるでしょう。

せどりをされているみなさん。申告していないけど税務署が何も言って来ないからとそのままにしていませんか? 税務署が何も言って来ないのは、申告していないことを認めたわけではなく、3年後に3年分の税金をごっそり、追加分も含めて持って行くつもりかもしれないということを肝に銘じておきましょう。

飯田真弓(いいだ・まゆみ) 税理士。産業カウンセラー。日本芸術療法学会正会員。初級国家公務員(税務職)女子1期生。26年間国税調査官として7カ所の税務署でのべ700件に及ぶ税務調査に従事。在職中に心理学を学び認定心理士の資格を取得。2008年に退職し12年(社)日本マインドヘルス協会を設立し代表理事に。柔らかな口調だが鋭い切り口の「税務調査に入られにくい企業を構築するセミナー」は好評。「メンタルヘルスケア対策研修」は国税庁でも実施。著書に『税務署は見ている。』『B勘あり!』(ともに日本経済新聞出版社)。DVDに『税務調査に選ばれる企業の共通点』(H&W)他がある。facebookに「税務署は見ている」研究会(https://www.facebook.com/zeimushohamiteiru)を開設。
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B勘あり!

著者:飯田 真弓
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,620円(税込み)

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