似て非なる「火災保険」と「火災共済」 補償範囲に差

日経マネー

何に備えるかで選択が変わる

表1、表2は東京都内の戸建て(床面積45坪、約148.5平方メートル)、4人世帯(世帯主35歳、配偶者30歳、子供7歳と2歳)のケースでの見積もり比較。いずれも火災補償部分は共済の方が安く、地震補償部分は保険会社の方が安く見えるが、その理由は先に解説した通りだ。これを見れば、どのように加入するのがいいか、簡単に説明がつく。

*1 省令準耐火構造は含まない *2 エコ設備あり *3 東京都民共済は木造70万円/坪まで *4 建築年割引を適用
*1 エコ設備あり *2 東京都民共済は鉄筋コンクリート造70万円/坪まで *3 建築年割引を適用

例えば、(1)火災だけに備えて少しでも掛け金を安くしたい場合は、全労済や都道府県民共済など、住宅火災保険タイプの共済が筆頭候補となるだろう。掛け金を比べれば、富士火災海上保険やあいおいニッセイ同和損害保険など損保の保険は2~3倍にもなるからだ。

(2)火災+水災まで備えたいという場合は損保各社なら住宅総合保険が選択肢となる。全労済であれば自然災害共済まで加入する必要があるが、木造(表1)のうち、あいおいニッセイ同和損保が11万1650円なのに対し、全労済は自然災害共済まで加入して11万8830円と、両者の掛け金の差はわずか7180円だ。とすれば地震補償もついてくるので、火災共済+自然災害共済の方が有利と考える人も出てくるだろう。

さらに(3)地震補償まで備える場合は、地震保険や自然災害共済まで含めた掛け金合計を比較すればよい。ちなみに、都道府県民共済の新型火災共済には自然災害共済が存在しない。そのため、(2)(3)のケースでは選択肢から外れることになる[注4]

ツーバイフォーは掛け金安く

同じ木造住宅でもツーバイフォーやパネル住宅には省令準耐火構造の建物も多い。この場合は、木造(表1)ではなく耐火構造(表2)として扱われるため、掛け金が安くなる(東京都民共済は木造扱い)。

全労済では11万8830円→7万9200円、富士火災は16万7710円→10万2000円、あいおいニッセイ同和損保は18万6370円→11万1430円と年約4万~8万円も安くなるので、住宅会社に確認しておきたい。損保と共済の違いを構造的に理解すると、自身で商品を比較できるようになるはずだ。

[注4]見舞金(火災共済金額の5%までの範囲内、最高300万円)が給付される
塚原哲(つかはら・さとし)
労働組合シンクタンク「生活経済研究所長野」事務局長、CFP。全国の労働組合を対象に日本中を飛び回り、年200回もの講演を行うほか、「家計の見直しセミナー」もウェブ配信する。趣味はライブ観賞、ピアノ演奏など。

[日経マネー2015年11月号の記事を基に再構成]

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