スティック型掃除機対決 軍配はエレクトロラックス
「ユニーク白物家電」実力テスト(下)
ロボット掃除機や布団掃除機など、多種多様なジャンルが生まれ、年々拡大している掃除機市場。なかでも特に伸びているのが、コードレスのスティック型掃除機だ。従来は「吸引力が弱く、あくまでも"2番手"の掃除機として使う」といったイメージだったが、モーターの小型化やバッテリーの高性能化が進み、主力機として十分使える性能を持ったモデルも増えてきた。
そんななか、各社が相次いで市場に投入しているのが、本体から分離してハンディー型としても使える「2in1」のスティック型掃除機だ。最新モデルの実力を比較した。
まずチェックしたのはバッテリー駆動時間など、実際の使い勝手だ。パナソニックの調査によれば、各家庭の1日当たりの平均掃除時間は約17.4分。そのうち掃除機を実際に稼働させている「平均掃除機運転時間」は約5.2分だという。
今回比較した4モデルは、出力最大モードで10分以上の掃除が可能だった。駆動時間という点では、どのモデルも合格点に達しているといえる。
スティック型で使う際の重さはどれも2.7kg前後とほぼ変わらないが、ハンディー型で1.2kgと最も軽かったのはエレクトロラックス「エルゴラピード・リチウム ZB3113AK」とLGエレクトロニクス「VS84」の2モデル。重さが1.4kgの日立アプライアンス「PV-BC200」やパナソニック「MC-BU100J」より200gも軽い。ハンディー型は持ち上げて掃除することが多いため、特に女性やシニアなどが使う場合は、軽いタイプのほうがよいだろう。
吸い取り能力に不満なし
カーペットやフローリングに小麦粉などをまき、1往復でどれだけきれいに掃除できるかをテストしたところ、どれもごみをしっかりと吸い取り、不満のないレベルだった。特に優れていたのがエレクトロラックスのZB3113AKと日立のPV-BC200。さまざまな条件の床面をどれも一度できれいに掃除でき、コーナーや壁際のごみもしっかりと吸い取った。
どのモデルも紙パックを使わないサイクロン式の集じん方式を採用。さらに小型ということもあり、キャニスター式よりもこまめにごみを捨てる作業が必要になる。エレクトロラックスのZB3113AKと日立のPV-BC200、LGのVS84はカプセル部を外し、ダストカップを分割するだけでごみを捨てられる。
パナソニックのMC-BU100Jはダストカップを分割する前にフィルターを外す必要があり、他よりもやや面倒に感じた。ただ、MC-BU100Jはダストカップの集じん容積が0.6Lと最も大きい。ごみ捨ての頻度が少なければ、それほど気にならないだろう。
2in1のスティック型掃除機として、使い勝手や掃除機能に優れ、総合的なバランスが最も良いといえるのはエレクトロラックスのZB3113AK。実勢価格は4万3770円(税込み)と高めだが、その価値はある。掃除する部屋の数が多い、長時間しっかりと掃除したいといった使い方なら、バッテリーが2個付属するLGのVS84も候補になる。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2015年10月号の記事を再構成]
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