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ヘルス

体の片側に激痛と発疹 50代で急増する帯状疱疹

2015/11/8

日経ヘルス

痛い! 赤い発疹も出てきた…。疲労やストレスで免疫力が低下した体を容赦なく襲う病気、それが「帯状疱疹」(たいじょうほうしん)だ。女性に多く、3人に1人がかかるといわれている。つらい痛みから解放され、跡を残さず治すには、素早い治療が鉄則だ。帯状疱疹の症状や治療について、3回に分けて解説する。1回目は発症の原因や症状について見ていこう。
(イラスト:いい あい)

胸やお腹の片側が急にピリピリと激しく痛みだし、4、5日するとそこに赤い発疹がポツポツ…。こんな症状があれば、「帯状疱疹」の可能性が大だ。

80歳までに3人に1人がかかるといわれる身近な病気で、女性に多い。「7、8割の人は最初に痛みが出て、後で発疹が現れる。ただし、50代未満の人では痛みよりも先に発疹が出て、虫刺されと勘違いすることもある」と、まりこの皮フ科の本田まりこ院長は話す。

症状は基本的に体の片側だけに出る。起こりやすい部位は、胸部や腹部を筆頭に顔、首、腰と続く。ちなみに四谷怪談の“お岩さん”の顔は、帯状疱疹によるものといわれる。

代表的な症状は、赤い□で示した体の片側だけに生じる痛みと赤い発疹。まず痛みが生じ、数日後に発疹が出ることが多い。痛みと発疹はほぼ同じ場所に出現する。発疹が出て初めて、この病気と気づく人が多い
神経節に潜伏していた水疱瘡ウイルスは、神経に沿って皮膚へと移動する。最も多い発症場所は、胸神経が支配する胸部と腹部。体の左右いずれかに出る。次は三叉神経が支配する顔。外から見えるところなので跡が残らないようにしたい (イラスト:いい あい)

■免疫力低下で潜伏ウイルスが“暴走”

原因は子供のころに感染した水疱瘡ウイルス(ヘルペスウイルス)。疲労やストレスなどで免疫力が低下すると、それまで体の奥で眠っていたウイルスが突如暴れ出す。どの年代でも発症するが、特に免疫力が下がる50歳以降に急増する。

全国190医療機関(有効回答は170機関)を対象に、ある1日の患者数、年齢などを調べた。帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛の場合、50代以降に患者数が急増する。高齢になるにつれて免疫力が低下するのが理由。(出所:日本皮膚科学会「本邦における皮膚科受診者の多施設横断四季別全国調査(2007)」)

「子育て世代は子どもを通して水疱瘡ウイルスにさらされるので、ウイルスを抑え込む免疫力が鍛えられ、帯状疱疹になりにくい。50代以降は、この抑え込む力も、体全体の抵抗力も低下するため、発症しやすくなる。糖尿病、花粉症や喘息(ぜんそく)などのアレルギー、がんなどの持病がある人もなりやすい」(本田院長)。

50歳以上の女性で心身ともに疲れている…。こんな人は帯状疱疹になりやすい典型例。ウイルスを抑え込む免疫力が低下し、発症しやすい。糖尿病や花粉症、喘息などの持病がある人も要注意だ

痛みは数日から1週間ほど続く。「痛みが強いほど神経のダメージが強く、重症化しやすい」とNTT東日本関東病院ペインクリニック科の安部洋一郎部長は話す。発疹が出たら即、皮膚科を受診するのが鉄則だ。次回は治療法について解説する。

痛みの後に赤い発疹が出て、水ぶくれや膿(うみ)を持った膿疱(のうほう)になり、やがてかさぶたになって治癒──。これが典型的な進み方。(4)は抗ウイルス薬を服用しなかった場合で、症状が強いケース(写真提供:本田院長)

■この人たちに聞きました

本田まりこさん
まりこの皮フ科(横浜市鶴見区)院長。専門は帯状疱疹などの皮膚のウイルス感染症。「アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息、膠原病などのアレルギーの病気がある人は、水疱瘡ウイルスを抑え込む『細胞性免疫』の力が弱いので、帯状疱疹になりやすい。気をつけてほしい」
安部洋一郎さん
NTT東日本関東病院(東京都品川区)ペインクリニック科部長。麻酔科医。専門は神経ブロックなど。「痛みは不安を招き、それが痛みを悪化させる。我慢せず、早く痛みを取り除く治療を。最初に痛みが出た時点でペインクリニックを受診してもいい。抗うつ薬や抗てんかん薬も、神経の痛みによく効く」

(ライター 佐田節子、構成:日経ヘルス 黒住紗織)

[日経ヘルス2015年10月号の記事を再構成]

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