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NISAで何を買うか

夏の波乱相場で踏ん張った 守りに強い投信は 編集委員 北沢千秋

2015/9/15

この夏、世界の資産市場は大荒れだった。国内外の株式や不動産投資信託(REIT)は軒並み急落し、NISA(少額投資非課税制度)で資産運用を始めた投資ビギナーも日々の価格変動が気が気でなかったはず。安定運用を求めるNISAの投資家のために、こんなときこそ力を発揮してほしいのが、分散投資で値下がりリスクを抑えるというバランス型投資信託だ。中でも注目は、市場環境に応じて機動的に資産配分を変更するというアセットアロケーション型のファンド。夏の急落相場で踏ん張った「守りに強いファンド」を探してみよう。

■分散効果を発揮したバランス型

8月の世界の株式、REITの騰落率は表Aの通り。中国景気の変調と米国の利上げに対する警戒感を背景に、世界の投資マネーがリスク資産の市場から急激に流出。主要指数は軒並みマイナスとなった。中国・上海総合指数が12%超など、新興国株式は10%近く、日経平均株価も8%を超える下落率となり、これらの資産に投資する投信も基準価格が急落した。

では、複数資産への分散投資で安定的な運用を目指すバランス型投信はどうだったのだろう。約480本のバランス型投信(DC・ラップ口座専用を除く)の8月のトータルリターン(分配金再投資後の基準価格の騰落率)をみると平均では4%強のマイナスで、下落率は日本株や新興国株の半分以内に収まっていた。分散投資はそれなりに効果を発揮できたといえそうだ。

(A)8月の主な指数の騰落率
(%)
日経平均-8.2
米S&P500-6.3
上海総合指数-12.5
東証REIT指数-7.5
米REIT指数-6.5

ただし、これはあくまで平均の数字。ファンドによって大きな開きがあるのも事実で、バランス型に分類される投信の中にも、下落率が10%を超えたものもあった。アジアの不動産株とREITに投資したり、日本株とJ-REITに豪ドル建てで投資したりするファンドなどだ。リスク水準が同程度に高い株式とREITを組み合わせても分散効果は期待できず、こうしたファンドはバランス型といっても名ばかりと考えた方がよい。

当然のことだが、株式の組み入れ比率が高いファンドほど、総じて下落率が大きくなる傾向もあった。独立系投信コンサルタントの吉井崇裕氏は「バランス型投信を選ぶにあたっては、どんな資産に投資しているかという運用の中身と、リスク水準を知る必要がある」と強調する。

その一方で、「アセットアロケーション型」などと呼ばれるタイプを中心に、下げ相場への抵抗力を発揮したファンドもあった。同タイプはその時々の市場環境に応じて資産の組み入れ比率を変えるのが特徴で、この1、2年、NISAの投資家向けに新規設定が相次いだ。投資家からすれば、この夏のような波乱相場でこそ本領を期待してほしい投信だ。

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