ETFで長期分散投資 低コストに強み

駅前の喫茶店で利子と新衣紗がコーヒーを飲んでいます。そこへ2人と約束した証券アナリストのバーバラがやってきました。その顔には少し疲れの色がみえます。
大学で金融を勉強中の初野新衣紗(はじめの・にいさ=上)と父の藤志郎(とうしろう=中左)、母の利子(りこ=中右)、外資系証券の日本支社で働くアナリスト、バーバラ・スミス(下)

りこ 疲れているみたいなのに、ごめんなさいね。

バーバラ 最近、株式相場が大きく下がったり上がったりして忙しくて。でも、お二人と話すのはよい気分転換になりますから、気にしないで下さい。

りこ それなら、帰りに夕食もどこかのお店で一緒にどうかしら。ところで実は私の相談も最近の株価のことなのよ。春先、スーパーの株を買ったけど株価の動きが激しくてね。長期保有するつもりだけど、長期運用にはやっぱり1つの株だけでなく、いくつか持ったほうがいいかなと。助言をもらおうと思ったの。

バーバラ いい着眼ですね。様々な資産や地域に長期で分散投資をすれば、相場が混乱している局面でも影響を抑えることが期待できます。

にいさ でもウチには色々な商品や地域に投資するだけのお金はないわよね?

バーバラ 少ない元手でも分散投資はできます。典型例は上場投資信託(ETF)の活用でしょうか。日本株はもちろん海外株や債券、商品など様々な対象に効率的に資産を振り向けられます。

にいさ 確かETFは市場の動きを示す指数(インデックス)と同じ値動きをするのよね。前に鯛吉さんに「インデックス投信」を教えてもらったけど、どう違うの?

バーバラ ETFは「Exchange Traded Fund」の略で、証券取引所で売買する投信を意味します。インデックス投信は普通、非上場ですね。

りこ 取引所で売り買いする点は株と同じね。

バーバラ はい。インデックス投信は証券会社や一部の銀行などで買えますが、ETFは株と同じように証券会社が窓口になります。売買価格も取引時間中の市場価格で、刻々と変わります。1日1回決まる基準価格で取引するインデックス投信と大きく違う点です。

にいさ 投信という名前だけど株と共通点が多いのね。

バーバラ そうですね。ETFの市場は大きく拡大しています。日本だけでも7月末で残高は約15兆円と半年で5兆円も増えました。人気は海外でも目立っていて、2014年末時点で5000本弱、残高は3兆ドル(約370兆円)に迫っています。

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