和田英 一切の妥協を許さぬ職人
ヒロインは強し(木内昇)
女工という言葉は、どことなく暗い響きをはらんでいる。少女たちが家の貧困を救うため、遠くの工場に送られ、酷使の挙げ句病苦にあえぐ――そんな筋立てさえ浮かぶ。だが信州松代に暮らす和田英は女工の応募に勇んで手を挙げた。明治六年のことだ。
「十三歳から二十五歳までの女子を富岡製糸場へ出すべし」というのが、県庁からの通達だった。娘を女工にするなど人身御供も同じと、当時も恐れられていたため村人たちは応じない...
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