マネー研究所

定年楽園への扉

退職後の趣味を長続きさせるには 経済コラムニスト 大江英樹

2015/9/17

でも退職の時点で何も趣味が無いからといって悲観する必要はありません。私の場合も現役時代の趣味といえば、旅行と音楽鑑賞、読書といったものばかりで、特に一芸に秀でた趣味というのは何もありませんでした。そこで定年前から新たに始めたのがジャズサックスです。私はもともと音楽が好きで、若いころにロックバンドをやっていました。楽器はベースでいわばリズムセクションです。いつかはメロディーセクションの楽器をやってみたい、そしてロックではなくてジャズをやりたい、という気持ちがこうじて、いわゆる「おとなのサックス講座」に通い始めたというわけです。

自分にとっては前述の「三大趣味」はとても興味を持てそうにはありませんでしたので、やりたいという気持ちは全くありませんでした。あくまでも自分の好きなジャンルを発展させる形で新しいことにチャレンジしたいと思ったのです。さらにいえば、現在も自営ながら毎日忙しく仕事をやらせてもらっています。サックスの練習をする時間がなかなか取れないというのがもっかの悩みの一つです。でも趣味というのはなかなかやれる時間がないというぐらいがちょうどいいのでしょう。

ですから60歳で定年を迎えたときに何も趣味がなくても、その後再雇用で65歳まで働く間に新しい趣味を見つければよいと思います。再雇用後の仕事は収入も下がりますが、現役時代のようなストレスのある仕事ではありません。あくまでも仕事を続けながら新しい趣味が持てるチャンスなのです。六十の手習い、おおいに結構です。その5年間で新しい楽しみを見つけることがその後の定年楽園の扉を開けることにつながると考えるべきではないでしょうか。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は10月1日付の予定です。
大江英樹(おおえ・ひでき) 野村証券で個人の資産運用や確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。行動経済学会の会員で、行動ファイナンスからみた個人消費や投資行動に詳しい。著書に「定年楽園」(きんざい)など。近著は「投資賢者の心理学」(日本経済新聞出版社)。CFP、日本証券アナリスト協会検定会員。
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