マネー研究所

定年楽園への扉

退職後の趣味を長続きさせるには 経済コラムニスト 大江英樹

2015/9/17

自分は仕事一筋でやってきたから、趣味らしい趣味は何もない。こういう人は結構います。現役サラリーマン時代のアフターファイブは、飲み会か麻雀、休日といえばゴルフ、パチンコ、家族サービスのドライブ、といった生活を何十年も続けていれば「趣味は何もない!」と開き直る人が多いのもうなずけます。そんな人でも定年が近づくと「何か趣味でも持たなきゃ、ヒマでたまらない」とばかりににわか仕込みで始める趣味があります。それが定年退職者の三大趣味といわれる「陶芸」、「油絵」、「山歩き」です。

もちろん私はこれらの趣味が悪いなどというつもりは毛頭ありません。いずれをとっても素敵な趣味ばかりです。ただ人に誘われるままにとか、みんながやっているから何となくということでこうした趣味の活動を始める人が多いということについては、やや首をかしげます。実際に私の先輩や知り合いでも定年後にこれらの三大趣味を始めた人をたくさん見てきましたが、その方たちのほとんどはしばらくすると飽きてしまったりやらなくなってしまったりという人たちが多いのです。では一体なぜそんな風になってしまうのでしょうか?

私はこの理由は2つあると思います。そもそも趣味というものは少なくとも5年とか10年くらい続けて初めてその面白さが分かるという面があります。最初は下手だったり、うまくできなくて面白くないと思ったりしていても続けていくことで次第にその奥深さに引かれていくということはよくあることです。ですから、ずっと以前から趣味であったことを退職後も続けてさらに深めていくということならともかく、退職と同時に始めたのではなかなかその面白さに到達することができません。

さらにいえば、趣味というのは余暇で楽しむものです。仕事なりボランティアなり、自分の生活の中心となる活動があってその合間を縫って楽しむからこそ楽しいのです。ところが定年後は時間がたっぷりあります。何かを習い始めたり、やり始めたりすると他に何もすることがないことから、ずっとそればかりやっているということになりがちです。たまたまその趣味が自分に合ったものであれば、何の問題もないでしょう。とても楽しいに違いありません。ところがやってみて自分の好みとは異なるものだった場合、次第にその趣味からは遠のいてしまうということになります。

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