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スタイリストが指南 服の正しい捨て方、選び方

2015/9/8

日経ウーマン

 クローゼットが片づかない原因は「収納方法」ではなく、「買い方」にあるのかもしれません。服の買い方を指南した著書が話題のスタイリスト・地曳(じびき)いく子さんに、理想のワードローブをつくるための買い方・捨て方の極意を聞きました。
(C)Pixta

■「イマイチ服」を捨てることで、おしゃれ度を底上げできる

 いくら片づけても、しばらくたつと服があふれて元通りに…。そうした片づかないクローゼットは「収納法ではなく買い方に問題がある」と指摘するのは、スタイリストの地曳いく子さん。最小限の服で素敵に見せる「服の買い方」を指南した著書、『服を買うなら、捨てなさい』が話題を呼んでいる。

 「買い方を見直さない限り、不要な服があふれ続けるだけ。今は服も小物も安く買える時代だからこそ、自分にとって『買うべき服』『捨てるべき服』の判断基準を持つことが大切です」

 特に働く女性は、生活や体形の変化によってファッションスタイルが揺らぎ、何を着たらいいのか分からず、やみくもに服を増やしてしまう人も多い。そうした人に向けて地曳さんが提案するのが、「毎日違う服装をしなきゃいけない」という思い込みを捨てること。

 「『いつも同じ服だと恥ずかしい』と思うあまりに、似合わない服や流行遅れの服まで残していませんか。こうした『イマイチな服』はおしゃれ度を下げる犯人。だったら週3回同じコーディネートでもいいので、似合う服だけを着ていたほうがずっとおしゃれに見えます」

 では、「自分に似合うものが分からない」という人はどうすればいいのだろうか。

 「若い頃は勢いでなんでも着こなせるけれど、年を重ねると、残念ながら『自分にぴったりの服』はそうは見つかりません。高望みをせず『自分がマシに見える服』ならOKと考えましょう」

 例えば手持ちのパンツを2種類はき比べて、片方がマシに見えたら、もう片方は潔く処分。そうしてイマイチな服を捨てることで、ワードローブ全体のおしゃれ度を底上げできる。

 「どちらがマシか分からないときは鏡の前で自撮りして、写真を見比べてみるのも手。自分ではイケてるつもりでも太って見えたり、反対に意外とやせて見えたりするのが分かります」

 買い物に行く際は、失敗を防ぐためにも事前にワードローブを見直し、次に買うべきアイテムを把握しておきたい。できれば、手持ちの服を全部出して、着ていない服は処分し、同じようなものは買わないのがベスト。「今持っている服よりいいと思えるモノだけを買い、見つからなければ買わずに帰る勇気を持って」

 買うべき服、捨てるべき服がはっきりすれば、タンスの肥やしもなくなり、自分に似合う服だけが残った少数精鋭のワードローブが完成する。

 「とはいえ、そこがゴールではありません。年齢やライフスタイルの変化に応じて、随時見直していく必要があります。私自身もまだまだ修業中で、白状するとクローゼットにはタグが付いたまま着ていない服も(笑)。でも一度自分の基準をつくれば、その後も必要なもの、不要なものを見極められるようになるはずです」


1.「痩せたら着る」など、「たら・れば」をやめる

 「痩せたら」「また流行ったら」と取っておいても、その機会が訪れる可能性は低い。「痩せたら痩せたで新しい服が欲しくなるはず。今着ていないなら、潔く処分を」

2.「高かったから捨てられない」は禁止

 かつて「清水買い」した服でも、似合わなくなったり、流行遅れになったりしたら処分の対象に。「どんなに高級品でも、自分をおしゃれに見せてくれないなら意味はありません」

3.靴下や下着から始める

 捨てるのが苦手な人は「くたびれてきた」「着け心地が悪い」などの捨てる基準を設けやすい靴下や下着から始めてみて。「捨てられたら、その勢いで服にも挑戦を」

4.朝、脱ぎ捨てた服を捨てる

 一度着たものの「やっぱり違うな」と脱ぎ捨てた服は、クローゼットに戻さず捨てる。「脱ぎ捨てたのには、なんらかの理由があるはず。今後も着ることはない『いらない服』です」

5.1シーズンに1回も着なかった服を処分する

 衣替えの際に手持ちの服を見直し、そのシーズンに1回も着なかった服は処分。「今年着なかった服は、来年もまず着ません。クリーニング済みのものはそのままリサイクル店へ」

6.着てみて、自分がマシに見える服は残してOK

 年を重ねるほど、「自分に似合う服」は見つけにくくなる。「着比べてみて、痩せて見えたり、顔映りが良くなったりと、『少しでも自分をマシに見せてくれる』なら残してOK」


7.1つ捨ててでも欲しいと思うモノを選ぶ

 「手持ちのモノよりいい」と思える服だけを買う。「買い足すのではなく、既に持っている服を買い替えると考えること。今と同等やそれ以下なら、買う必要はありません」

8.試着室から着て帰りたいと思う服を買う

 着て帰りたくなるほど、「すぐに着たい」と思える服を買う。「時がたてば、トレンドも自分の気分も変わるもの。先取りして来季の服を買っても、結局はお蔵入りになる可能性が」

9.靴に一番、お金と愛情をかける

 身に着ける時間が長いからこそ、靴にはお金をかける。「少数でいいので、履き心地がよく上質なものを選んで。まあまあの服でも、靴が素敵だとおしゃれに見えます」

10.今シーズンに何回着るかを考える

 コスパの良さは「今シーズンに何回着られるか」で判断する。「高くても1シーズンに50回以上着るなら『買い』。反対に、安くても2~3回しか着ないなら割高だと考えます」

11.試着しても買わない勇気を持つ

 試着してもピンと来ないなら、買わずに帰る勇気を持つ。「少しでも迷っているなら買わないこと。『逃したらもう合えないかも』『店員さんに悪いから』といった考えは捨てて」

12.家に帰ってすぐ着てみて、よくなければ返品する

 試着室では実際の自分以上に素敵に見えるもの。家で着てみたら違った…というときは、思い切って返品を。「もしくは授業料と思って誰かにあげて。クローゼットには入れないこと」

地曳いく子さん
 スタイリスト。59年生まれ。ファッション誌でキャリア30年超を誇るスタイリスト。数多くの女優のスタイリングも手がけ、「着やせ」など実用的なテーマに定評のある“大人の女性”の服選びの第一人者。著書に『50歳、おしゃれ元年。』(集英社)、『50歳ファッション黄金セオリー さようなら、おしゃれメランコリー』(WAVE出版)など。

(ライター 工藤花衣)

[日経WOMAN 2015年9月号の記事を再構成]

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