マネー研究所

Money&Investment

新婚夫婦の住宅購入 家族構成や働き方見えてから

2015/9/6

セミ時雨が響く夕方の「たいきちマネー相談所」。鯛吉と新衣紗が書類を整理しています。そこに藤志郎が困った顔でやって来ました。手にはゆでたトウモロコシが入ったポリ袋を下げています。
大学で金融を勉強中の初野新衣紗(はじめの・にいさ=上)と父の藤志郎(とうしろう=中左)、母の利子(りこ=中右)、隣に住むファイナンシャルプランナー・税理士の有賀鯛吉(ありが・たいきち=下)

とうしろう はい、差し入れ。2人とも精が出るね。ところで……。

にいさ 実は相談があるんだ、でしょ。最近、このパターンが多くない?

とうしろう うっ、厳しいな。今度は職場の男性の後輩が結婚するんだ。「家賃がもったいないので家を買いたい」と相談されてね。

たいきち また僕に丸投げですね。いいですよ。トウモロコシ、好物なんです。まず家を買う前に持ち家と賃貸の違いを確認しましょう。住宅ローンを毎月返済するのも家賃を払うのも、額が同じなら家計に与える影響は変わりません。違うのは住宅が自分のものになるかどうかです。持ち家は住宅ローンを完済すれば資産になりますが、賃貸はいくら支払っても自分のものにはなりません。

とうしろう 「家賃がもったいない」というのは、そういう意味なんだ。

たいきち 賃貸は持ち家より老後資金が多くかかる点にも注意が必要です。厚生労働省によると日本人男性の約11人に1人、女性の4人に1人が95歳まで生きます。65歳でリタイアしてから30年間生きる可能性に備えるなら、毎月の家賃が10万円とすると計3600万円必要です。持ち家は定年退職までに完済するように住宅ローンを組めば、老後の住居費は維持費や修繕費程度ですみます。

とうしろう 老後資金を3000万円以上多く用意するのは厳しいな。

たいきち 自宅を資産と考えると、持ち家の長所がわかります。例えば借り手が見つかれば、賃料収入を期待できます。いざというときに売却すれば、まとまった資金になる可能性もあるでしょう。持ち家を担保に生活資金を融資する金融機関も最近は増えています。

とうしろう つまり賃貸より持ち家の方が有利で、なるべく早く買った方がいいと助言すればいいんだな。

たいきち 生涯で得られる収入はある程度決まっている以上、自宅が資産になる持ち家は有利にみえます。でも家を買うときは資金計画を十分に考える必要があります。特に大切なのは頭金です。頭金なしで家を買うのはあまりお勧めできません。

にいさ どうして?

たいきち 頭金があるほうが支払総額と毎月のローン返済が少なくてすむんだ。例えば3000万円の家を買うとき、金利は全期間固定型で2%、返済期間35年という条件でローンを組むとする。頭金なしの場合は3000万円を借りるから、利息も含めた総返済額は4173万円だね。一方、例えば頭金が600万円あれば、借りるのは2400万円。利息を含めた支払総額は3939万円と230万円あまり少なくなる。毎月のローン返済額も2万円弱安くなるんだ。頭金が多いほど、この差は大きくなるよ。

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