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波乱に負けない分散投資 積み立てでコツコツ

2015/8/29

 イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの小松原宰明最高投資責任者は「大きな金融危機では、年間の最大損失率はリスクの値の2倍まで想定すべきだ」と話す。リスク約25%の日本株なら年間最大損失率の目安は50%となる。

 一方グラフCdの配分はリスク約13%なので危機時でもマイナス26%の下落ですむ可能性が高い。高年齢では特にリスク管理は重要。金融危機前に高リスクの新興国投信を退職金で買い、急落に耐えきれずに手放した人も多くみられた。

 新興国株など4資産以外の投信や、様々な配分のバランス型投信のリスクの数値は、投信検索サイト「投信まとなび」「モーニングスター」などで調べられる。

■信託報酬に注意

 もう一つ大事なのはコスト。グラフBはコスト考慮前だが、投信は保有期間中毎日、信託報酬というコストがかかる。その分成績の足を引っ張り、長期では影響が大きくなる。例えば4資産分散で毎月3万円投資した場合、信託報酬が年0.5%と同2%では、14年までの35年間で約1000万円もの成績差になった。金融機関に運用を任すラップ口座では年間総コストが2%を超えるものが多い。

 最近は世界中の株や債券に投資できる低コストのインデックス(指数連動)型投信が増えているので優先的に活用したい。例えば最近設定の4資産分散の投信のコストは年0.3%台の例がある。

 GPIFの数値はあくまで長期が前提。目先は債券の金利がかなり低いので投信ではコスト割れになることもある。国内債券は個人向け国債など保有コストのかからない商品で当面代用する手もある。

 寿命は伸びる一方で年金は実質減額が見込まれる。相場波乱に負けず「長期・分散・積み立て・低コスト」をカギに、自助努力による老後資金づくりを続ける必要性が増している。(編集委員 田村正之)

[日本経済新聞朝刊2015年8月26日付]

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