まぶたのたるみ、シワ…コンタクトレンズで老け顔に?

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コンタクトレンズ(特にハードレンズ)を長期に使い続けると、まぶたのたるみ、額のシワ、目が細くなるといった症状が出ることがある。ドライアイや充血、ゴロゴロ感など不調を感じた場合も早めに対処が必要だ。眼科医療とアンチエイジングの専門家、坪田一男さんに聞いた。
(C)Pixta

コンタクトレンズを使用している人は多いと思いますが、それがもしかしたら老け顔を招くかもしれないと聞くと、ちょっと気になりませんか。

コンタクトレンズ(特にハードレンズ)を長期に使い続けていると、目の縦の幅が細くなることが知られています。なぜかははっきりとはわかっていませんが、おそらく、コンタクトレンズによって目が乾かないように、ゴロゴロしないようにと無意識のうちに目を細めてしまうためではないかと考えられています。

そして、コンタクトレンズをしていた人がコンタクトを使わなくなると、それが元に戻ることがわかりました。南青山アイクリニックでレーシック手術を受けた人の術前術後の目の縦の幅を集計したところ、術後は平均0.9mm大きくなるという結果でした。レーシック後に何となく目がパッチリとする印象がありましたが、実際に大きくなっていたのです。

また、「眼瞼(がんけん)下垂」という疾患があります。これは、眼瞼(=まぶた)が下がってきて目が開きづらくなり、正面を向いたときにまぶたが黒目にかかってしまう状態をいいます。先天性のものもありますが、加齢による変化や、コンタクトレンズの長期使用により発症する例が増えています。

額のシワはまぶたが原因かも

まぶたが下がってきた人の特徴は、額にシワが寄ることです。下がったまぶたによって見えにくくなってしまうので、額の部分の筋肉の力でまぶたを引き上げて目を開けようとする結果、おでこにシワが寄ってしまうのです。ご存じの通り、シワはくり返されることで深いシワになって刻まれていきます。

さらに、眼瞼下垂や視力の矯正不良、ドライアイなどで見づらい状態だと、自然に目を細め、顎を上げて見やすい角度をとってしまいます。“チン・エレベーション”といいますが、これが外見的には威張ったような偉そうな印象を与えてしまうのです。対人的にも印象が悪いので損ですね。また、眼精疲労や頭痛、肩こりの原因になるともいわれています。

ハードコンタクトレンズを長期間装用している人では、若くても眼瞼下垂が起こることがあります。ハードコンタクトレンズを長年使用していて、「目と眉毛の間の距離が開いてきた」「おでこにシワができた」「目が開けにくい」といった症状があれば、可能性があります。

片目だけに症状が出る場合もあります。進行すると手術が必要になりますが、ほとんどはゆるんでいる挙筋腱膜を縫合するというもので、眼科で日帰り手術を受けることができます。

コンタクトレンズによる充血は放っておかないで

コンタクトレンズのそのほかの問題点としては、夕方になると目が赤く充血したり、ゴロゴロしたり、かすんで見えにくくなる人が多いようです。充血しているとやはり周りに与える印象が悪いですし、放っておくと充血が取れなくなってしまう場合もありますので注意しましょう。

充血をとる市販の目薬がありますが、一時的に血管を収縮させるもので、逆にそのリバウンドで血管が拡張して充血がひどくなり、症状を悪化させることがありますので、常用せずに眼科を受診してください。

充血や見えにくさ、異物感を自覚している人の対策としては、コンタクトレンズの使用頻度を減らす(メガネと併用する、レーシックなどでコンタクトレンズをやめる)、眼科を受診してレンズのフィッティングを改善する(目の表面のカーブとレンズのカーブを正しく合わせる)、ドライアイ用の点眼薬を処方してもらう、などが考えられます。

ドライアイを改善する薬として近年登場したジクアホソルナトリウムの点眼薬は、目の表面に涙を定着させるノリのような役割のムチンを増やす働きがあり、コンタクトレンズを使いやすくする効果が期待できますので、眼科で相談してみるとよいでしょう。

近年のコンタクトレンズは改良がすすみ、とても装用感がよくなっていますが、涙を吸い取ってしまうことがあります。涙で潤っている目はきらきらと輝いて見えます。「目は口ほどにものを言う」といいますが、ぱっちりとしてキラキラと潤っている印象的な目はとても重要ですね。明るく優しい印象を与えるためにも、目のケアは怠りなく。

坪田一男(つぼた・かずお)
慶應義塾大学医学部教授・慶應義塾大学SFC研究所ヘルスサイエンスラボ代表。1955年東京生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。ハーバード大学留学、クリニカルフェロー修了。2000年より最先端のアンチエイジング医学を学び、医療界に積極的に導入。現在、日本抗加齢医学会理事長、日本再生医療学会理事、学会誌「アンチエイジング医学」の編集長などを務める。南青山アイクリニック手術顧問。眼科専門医による安全なレーシック(近視手術)の提供・指導も行う。『ごきげんな人は10年長生きできる』(文藝春秋)など著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2015年8月5日付記事を再構成]

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