出産後を見越し、定時職場へ転職するのは甘えか
働き続けられる環境の選択、後ろ向き転職とは違う
働くにあたって勤務時間を気にする女性は多い。特に結婚し子育てをしながらと考えると、残業の多い仕事との両立を想像できないし、体力的にもきついと不安の声が聞こえてくる。残業したくないからという理由の転職は、甘えた後ろ向き転職なのだろうか。
「残業をする男性同期と比較して悩む女性は多いが、能力ではなく体力の問題なら悩んでも無駄だ」と人材サービス会社ビースタイル(東京・新宿)子会社のシフトの水沢直人社長は言う。体力が勝負どころではないのは自分の特徴なのだ。「自分が勝負できる会社を選ぶことは後ろ向き転職とは違う」と水沢氏。働き続けられる環境を選ぶのは重要だ。会社の環境を改めて見直してみよう。残業の多い人を評価する文化なら、成果重視の企業への転職を考えるのも一案だ。部長が夜遅くまで会社にいる職場などは要注意という。
転職する場合、妊娠のタイミングは重要な要素だ。ライフプランから逆算して、妊娠の2~3年前には転職しておいたほうがいい。20代後半が動きどきだ。ただ、現在の職場で先輩が育児休業から復帰していたり、働きぶりが評価されていたりすれば不安がらずに働き続けた方がいい。「自分の状況と6割程度重なる人がいるなら、参考になる先達と考えていい」と水沢氏は話す。仕事が評価されていれば、働き方に融通を利かせてもらう交渉の余地はある。
転職先として制度面の不安から中小企業を外す女性は多い。水沢氏は「制度の運用はトップの考え方次第。中小はトップの理解があれば柔軟に対応できる」と選択肢を広げるようすすめる。
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