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現役世代にもある年金の恩恵 避けたい保険料未納

2015/8/23

 「将来はどうなっているかわからない」。そんな思いから年金保険料を払っていない人は珍しくないようだ。2014年度の国民年金保険料納付率は63%だった。ただ将来どころか一寸先も闇。実はその一寸先に公的年金が役立つ場合がある。それも保険料未納だとふいになる。制度をよく知っておきたい。

 千葉県で暮らしていた50代の男性が2年前、心不全で突然亡くなった。残されたのは30代の妻と小学生を筆頭にまだ小さな子ども3人。「これからどうすればいいのか」と不安を募らせていた妻の支えとなったのが遺族年金の存在だった。その額は月約18万円。

 遺族年金は加入している公的年金制度から支給される(表A)。

 自営業者などは国民(基礎)年金に加入するので、その人が亡くなったとき、遺族には遺族基礎年金が出る。会社員は厚生年金に加入するが、同時に基礎年金にも入る仕組みなので、遺族には遺族厚生年金と遺族基礎年金の2つが支給される。ただし遺族基礎年金は、子どものいる配偶者もしくは子どもに対してしか支給されない。

 事例の男性は、自営業で国民年金に加入していた時期も会社勤めで厚生年金に入っていた時期もある。妻には2つの遺族年金が支給された。遺族基礎年金は子どもの人数に応じた加算を合わせ月約11万円。遺族厚生年金は月7万円ほどだった。妻は貯蓄なども頼りになんとか暮らしている。

 遺族年金に詳しい社会保険労務士の根岸睦氏は「ずっと自営業で一時期だけ会社員だったという人が亡くなっても2つの遺族年金が出ることがある。わからないときは年金事務所などで相談したい」と話す。

■納付、大きな要件

 万が一のときに役立つ遺族年金だが、無条件で支給されるわけではない。その大きな要件の一つが保険料をきちんと納めてきたかどうか、納められないときには「免除」の手続きをしているかどうかだ。免除期間は納めた期間に含まれる。

 会社員の厚生年金の場合、年金保険料は給料から天引きで徴収されるので、保険料未納は起こらないはずだ。一方、自営業などは国民年金に加入し、自主的に保険料を納める必要があるので、未納が起こる。先ほどの男性は自営業時代の国民年金保険料もしっかり納めており、問題はなかった。

 老後以外でも公的年金が役立つもう一つの例が、病気や事故で障害を負ったときだ。

 東京都内に住む40代の男性会社員は10年ほど前、慢性疲労症候群という病気になり、働けなくなってしまった。不幸なことにその後、年下の共働きだった妻も交通事故に遭い、脳の損傷で働けなくなった。

 途方に暮れているとき、「障害年金」という仕組みがあることを知り、夫婦で年金事務所を訪れた。ところが、窓口では「その病気は対象でない」などと取り合ってもらえなかった。それでもあきらめず、今度は障害年金に詳しい社会保険労務士に相談し請求したところ、やっと認められた。

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