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単元未満株の売買、NISA口座と好相性

2015/8/22

 証券取引所での売買単位に満たない「単元未満株」を売買できるサービスが増えている。株式への少額投資の選択肢として、インターネット専業証券会社などが取り扱う。最近はNISA(少額投資非課税制度)の年100万円の投資枠を使い切れるよう計算して複数の銘柄に投資する人も多い。取引の仕組みを頭に入れておきたい。

 カブドットコム証券が提供する単元未満株の取引サービス「プチ株」は上場株式を1株から売買できる。同社が4~6月にプチ株で購入された銘柄を調べたところ、金額ベースのトップはトヨタ自動車だった。この間、トヨタ株は1株8000円を上回って推移。取引所では売買単位が100株なので最低でも80万円以上なければ買えないが、プチ株なら8000円余りでだれでも株主になれる。

 さらに単元未満株はNISAと相性がいい。年100万円の投資枠の中で、取引所での売買単位にとらわれず銘柄を選べるからだ。SMBC日興証券の「キンカブ」は株数だけでなく、金額ベースでも注文が出せる。「ほとんどが金額指定の注文。NISA投資枠にぴったり合わせて注文を出す投資家もいる」(エクイティ・マーケティング部)。同社はNISA開始以降、金額指定の注文に限って店頭でも受け付けている。

 単元未満株であっても株数に応じて配当金を受け取れるため、「安定した高配当が狙える銘柄は人気がある」(同)。ただし、議決権はない。取引所での売買単位以上の保有を条件にしている株主優待も受けられないが、優待対象の売買単位までコツコツと買い増していく人は多い。売買単位に達すると議決権を得ることも可能だ。プチ株もキンカブも同じ銘柄を月1回など定期的に買っていく積立投資ができる。

 注意したいのは、投資家の注文をそのまま取引所に取り次ぐのではなく、証券会社が相手方となる取引なので、注文の出し方や売買タイミングに制約があることだ。あらかじめ買値や売値を指定する「指し値」の注文はできない。取引所での取引開始前に価格を指定しない「成り行き」の注文を出しておき、取引所で付いた始値で売買する証券会社がほとんどだ。

 さらに通常の株式売買に比べると手数料がやや高い。NISA口座での買い付け手数料をキャンペーンで無料にするネット証券でも単元未満株は手数料がかかる。プチ株は売買代金4万円の場合で252円。キンカブは取引所での売買高加重平均株価(VWAP)に手数料相当の2%を上乗せして取引する仕組みだ。

 もっとも、NISA口座での中長期の投資で成功すれば、単元未満株の取引コストは非課税メリットでほぼ吸収できる。日本株式で積極運用する投資信託のように投資期間中の管理手数料がかさむこともない。たとえ少額でも自分自身の投資判断で銘柄を選んで運用したい人に向いているといえる。(表悟志)

[日本経済新聞朝刊2015年8月15日付]

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