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空襲直後の東京・広島 米軍撮影の空中写真が本に

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NIKKEI STYLE

 日本地図センター(東京・目黒)は、第2次世界大戦末期に米軍が日本上空で撮影した写真をまとめた冊子「1945・昭和20年 米軍に撮影された日本」を発行した。東京大空襲直後のまだ煙が立ち上る写真や、広島の原爆投下前後の写真などが収録されている。

米公文書館保管のフィルムをデジタル化

米軍の写真偵察機F13が空中で撮影した。F13は爆撃機B29を改造した偵察専用機だ。日本地図センターでは2002年以降、米国立公文書館に保管されていたネガフィルムを調べ、東京や広島、長崎など戦争の爪痕が記録された写真を発掘してきた。

年月とともにフィルムの劣化が進むなか、センターでは写真のデジタルデータ化を進めた。同時に、細切れになっていた写真をつなぎ合わせ、広範囲の状況が確認できるようにした。

05年から作業チームに加わった主幹研究員の小林政能さんは「空中から撮った写真だが、その下には人々の暮らしがあった。空襲や原爆投下の前と後でここまで街が変わってしまう現実を目の当たりにすると、足がすくむ思い。戦争について考えるきっかけになれば」と語る。

戦艦大和、沈没前日の姿も

今回収録した都市は、東京、広島、長崎、大阪、名古屋、京都、札幌、仙台、さいたま、千葉、横浜、静岡、神戸、福岡など。44年12月7日に起きた東南海地震の被災状況を示す写真もある。報道管制下だったためほとんど知られていないが、三重県などで津波の痕跡が確認された。

東京都港区の増上寺の写真は45年3月8日の撮影で、消失直前の貴重な姿が納められている。山口県沖で45年4月6日に撮影された戦艦大和の姿もある。九州沖で沈んだのは翌7日のことだ。

F13の任務は、B29の爆撃を支援することだった。大規模な空襲の前には必ずF13が現場を撮影していた。45年3月10日の東京大空襲の時には、2日前の3月8日に偵察飛行があった。

東京大空襲の直後にもF13は東京上空から撮影している。午前10時35分というから、未明に行われた空襲の数時間後だ。煙が立ち上り、隅田川沿いが白く消失している様は空襲の恐ろしさを物語っている。

上野周辺に焼夷弾の爪痕 アメ横の原点に

このほか東京の空中写真では、45年2月27日撮影の上野・御徒町周辺も恐ろしい。駅周辺が真っ黒で、焼夷(しょうい)弾による被害のすさまじさが分かる。東京大空襲の前に行われた、2月25日の空襲の爪痕だ。被災地は戦後、闇市となり、現在はアメ横として全国的に知られる場所となった。

5月17日には新宿駅周辺が撮影された。新宿御苑や淀橋浄水場がはっきりと写っている。甲州街道や中央線、小田急線沿いは白くなっていて、更地になっていることが見て取れる。これは空襲による延焼を防ぐ目的で家を取り壊した「建物疎開」の跡だ。

地図センターの小林さんは「戦時中の地図を見ると、新宿御苑も淀橋浄水場も公園のように書き換えている。攻撃対象にならないようにとの配慮だったが、米軍は空中写真で何もかもつかんでいた」と解説する。地図の偽装は写真偵察機の前に無力だったのだ。

原爆投下前後の広島 1カ月後には爆心地に人の姿

今回デジタル複製データとして初公開となった写真がある。広島の原爆投下前後の写真だ。

7月25日撮影の写真を見ると、原爆投下前の広島の街並みが広がっている。川沿いや道路沿いに白く写っているのは建物疎開により強制的に破壊された場所だ。

写真中央より少し左上、川が分岐する地点が原爆投下目標となった相生橋。そのすぐ右下の川沿いに見える大きな建物が当時の広島県産業奨励館、つまり後の原爆ドームだ。

8月8日撮影の写真は破壊された広島の街。同じ場所とは思えないほどの変わりようだ。

その1カ月後、9月7日にも米軍は同じ場所を撮影している。終戦後なので迎撃の心配がなく、戦時中は1万メートルの高度からの撮影だったが、こちらは3000メートルから。その分、拡大に堪える写真となっている。

よく見てみると、相生橋に人が歩く姿が見える。70年は草木も生えないと言われた広島だが、被爆直後もここに人が暮らしていたことが見て取れる。

あれから70年。当時を知る人々は少なくなり、記憶は風化と隣り合わせだ。空中写真が写し出す戦時下の日本は、戦争の現実を静かに語りかけてくる。

(河尻定)

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