築35年で450万円目安 家の修繕資金、備え早めに

持ち家がある人なら避けて通れないのが将来のリフォームだ。雨漏り防止など最低限の修繕だけでも長期的にかなりの費用になる。どの部分に、いつ、どんな修繕が必要なのかを知り、早めに資金面の備えをしたい。リフォームにかかるお金の常識を点検してみよう。

「10年で本当にここまで傷むのか……」。東京都世田谷区に11年前、約4000万円で100平方メートル超の土地に新築一戸建てを構えた測量機器メーカー社員Aさん(44)は今年、自宅の外壁塗り替えに約110万円をはたいた。

築後10年で塗り替えが必要とは言われていたが、住宅ローン負担も重くて昨年は工事を見送ったところ、今年に入って外壁の一部がはがれた。「今回はたまたま臨時収入があって乗り切ったが、20年、30年と節目ごとに同様のお金がかかると再認識して資金繰りが不安になった」と話す。

リフォームというと、間取りの変更、省エネ性向上、バリアフリー化などを思い浮かべる人も多い。だが、外壁工事などの基礎的修繕の方がより頻繁に必要で、費用もかさむ場合が意外に多い。

ファイナンシャルプランナー(FP)による住宅販売を手がけるFP住宅相談ネットワーク(横浜市)の黒須秀司代表は「戸建ては外壁、屋根、バルコニーの修繕とシロアリ対策、給湯器交換が欠かせない」と指摘する。この5項目だけで、築後35年間の総費用は木造・延べ床面積100平方メートルの家で450万円弱が目安になるという。

住宅の規模、材質、劣化状況などで実際の工事費は変わるが、ある程度まとまった金額を準備する必要はある。黒須氏は「築後早いうちからコツコツ積み立てるのが確実だ」と話す。

住宅の外壁や屋根の修繕などは工事が必要になる時期の目安がある(図A)ので、逆算して早く貯金を始めれば月々の負担感は大きくならない。築後1年目から貯金すれば月1万円強の積み立てで、35年間で約450万円のリフォーム費用を準備できる計算だ。

マンションの場合は修繕積立金があるものの、給湯器の交換など専有部分の工事には自己資金が必要になる。修繕積立金も「途中で値上がりしたり、不足してまとまった額を臨時徴収したりする例は少なくない」(黒須氏)。このため一定の予備費を自分で積み立てておく方が安心だ。

もっとも、リフォームが必要になる時期には、住宅ローン返済や教育費など重い支出が残っている場合も多い。FPの久谷真理子氏は「リフォームだけのために手元資金を減らしすぎない配慮も大切になる」と助言する。

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