マネー研究所

もうかる家計のつくり方

固定費と流動費 黒字家計に見る黄金比率 家計再生コンサルタント 横山光昭

2015/8/12

「やりくり費がまったく足りません!」とご相談に来られたのは会社員Sさん(40)と奥さん(40)です。手取り月収は32万円ほどあり、高校1年生の息子さん、小学3年生のお嬢さんとの4人暮らしなのですが、いつもお金が足りないというのです。「やりくり費」とはいったい何を指しているのでしょうか。

食費や水道・光熱費は比較的節約した生活を送っているのに、なぜか毎月赤字

家計表を見せてもらうと、毎月2万4000円ほどの赤字です。この赤字の原因を明らかにしようと、費目ごとに金額をチェックしてみました。食費、水道・光熱費、日用品などの流動費は比較的よく節約して生活していて、頑張ってやりくりしている様子がわかります。

次に住宅ローンや通信費、生命保険料といった固定費を見ると、支出全体のかなりの割合を占めていました。Sさんの家計の問題は、どうやら固定費にあるといってよさそうです。そして、お話の内容から、やりくり費というのは、固定費以外の部分の費用を指しているようでした。

私のところに家計相談に来られる人のうち、黒字家計500件、赤字家計500件の固定費、流動費の割合を比較したデータがあります。固定費とは毎月一定額かかる費目で、住居費、通信費、生命保険料、車のローンや保険料、教育費、小遣い、ペット関連費、毎月の返済額、定期購入のサプリやコンタクトレンズ代などとしています。

流動費とは毎月増減する費目で、生活するための活動費です。食費、水道光熱費、ガソリン代、自動料金収受システム(ETC)代、日用品代、医療費、交通費、被服費、交際費、娯楽費、嗜好品代、理美容、化粧品代などです。一般的な分け方とは異なるかもしれません。あくまで、毎月の支払い方の違いに注目して分類しました。

黒字家計、赤字家計を比較してみると、貯蓄ができるような黒字家計の平均は固定費45%、流動費35%でした。残る20%が自然と貯蓄額になるという結果です。日々の家計相談のケースで検証しても、この値が最も目標とすべきところで、この比率に近づけば近づくほど、家計状況は良好になっていくことがわかっています。

一方、赤字家計の平均を見ると、固定費65%、流動費45%で、黒字家計との違いは明らかです。赤字家計では、黒字家計の固定費の平均比率である45%以上を超える家計が89%、流動費35%を超える家計が84%を占め、非常に高い割合です。赤字家計では固定費と流動費の合計支出が100%を超えるため、不足する金額をボーナスなどで補填しなければならないのです。つまり、家計を黒字でかつ貯蓄を作れるような状態に運営するには、固定費は45%、流動費は35%を超えないようにコントロールすることが必要です。

固定費は支払先が決まっているランニングコストなので、当然、最小限にすることが支出削減のポイントです。流動費の節約には限界があります。頑張って節約しているのにお金が残らない家計は、固定費が支出を圧迫している傾向があるのです。

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