男性も高級ホテルスパ いやしや目元ケア、昼休みに

ホテルのスパを利用する男性が増えている。女性が施術を受けるイメージが強かったが、テレビ番組で男性向けのメニューがさかんに紹介されるようになったことなどで抵抗感が薄れたようだ。肌質の改善より「気分を変えたい」という目的での利用も多いという。それなりに値は張るが、リフレッシュのため使ってみるのも良さそうだ。

高級外資系ホテルのマンダリンオリエンタル東京(東京・中央)の「ザ・スパ・アット・マンダリン・オリエンタル・東京」では、今年6月に男性利用者が4割を超えた。

(1)マンダリンオリエンタル東京「ザ・スパ」利用者は男性が4割超に(2)施術を受けながら眺望も楽しめる(3)コンラッド東京「水月スパ」の施術ルーム(4)セントレジスホテル大阪のスパ「イリディウム」では男性専用のマスクでフェイシャルを手入れ(5)マッサージ機能付きのいす

利用者はまず温浴施設で汗を流し、体を温め、皮膚の調子を整える。浴槽にぬるめの湯を薄くはり、体を横たえリラックスする。スパのイメージは「天空に浮かぶ安らぎの楽園」。東京タワーや都心のビル群だけでなく、天気が良ければ富士山も望める。施術を受ける部屋にも大きな窓が切り取られている。

プログラムにはその日の気分で柔軟にサービスを指定できるものもある。「タイム リチュアル―シグネチャー」では予約時点で決めるのは時間枠だけ。リラックス効果のある足浴にはじまり、ボディー、フェーシャル(顔)など、好みやコンディションによって施術の組み合わせは自由だ。施術時間110分で価格は4万4000円(消費税など別。以下同じ)。スパに慣れていない男性には、専門スタッフがお薦めの施術を提案する。

開業10年を迎えたコンラッド東京(東京・港)でも、館内の「水月スパ&フィットネス」の男性の利用が増えている。日帰りの利用客は「宿泊時の空いた時間に施術を受け、その後リピーターになるケースが多い」と同ホテルはみている。

関西きっての高級ホテル、セントレジスホテル大阪(大阪市)内にあるスパ「イリディウム フィーチャリング ソティス」でも、男性向けのプログラムが人気だ。来店客の3割強は男性が占め、ボディーケアだけでなく「フェーシャルの手入れを受ける企業のエグゼクティブの方が徐々に増えています」(同スパを運営するソティスジャパン)。

記者も体験してみた。「スイッチを入れますね」。フェーシャルの施術を受ける専用いすには特注のマッサージ機能が組み込まれている。トリートメントで腰骨のあたりから首筋までもれなくほぐしていく間、椅子全体が微動して体が暖まるのを感じた。流れるヒーリング音楽で気分も穏やかに。昨日までの疲れた自分がうそのようだ。

男性の人気が高いコースは、目元を集中的にケアする「TI ハイプロテクションアイトリートメント」。普段はパソコンなどと格闘する会社員が多いという。ビタミンとヒアルロン酸を配合したアイクリームを使い、目元を手入れする。90分間の施術で1万9000円だ。

仕事の合間などに利用できる短時間のコースもある。「アロマフットスパ」(8800円)は、40分間で足の疲れをいやす。「昼休みや出張前にリフレッシュしたいという男性が多い」(同ホテル)。

これらのホテルではカップルや夫婦で利用したいという要望に応えたプログラムもある。

例えば、マンダリンオリエンタルの「ロマンス―スイート エクスペリエンス」は、スチームシャワーで体を温めたあと、カップルルームで頭から足先までをじっくりマッサージでほぐしていく。2人分の価格は140分間で12万円だ。コンラッド東京では8月末まで、120分の施術に食事、プールやジムの利用などをセットし、1日楽しめるプランを2人10万円で実施している。

高級ホテルで人気が広がり始めた男性向けスパ。オフタイムの過ごし方のひとつとして、ここで身も心もほぐしている人が増えているようだ。

2014年度のエステティックサロンの国内市場規模(美顔、痩身・ボディー、メンズエステなど)は推計3611億円。脱毛に特化した低価格サロンの出店が増えたことなどで前年比1.6%増えた。10年度比では2.1%増だ。

このうちメンズエステは消費増税の影響で微減だったものの、高級外資系ホテルのエステサービスは利用が増えているもよう。テレビでサービスが紹介されることが増え、男性の関心が高まっていることが背景と業界では分析している。

(企業報道部 飯島圭太郎)