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原油投資、個人にじわり浸透 株以上に値動き荒く

2015/8/8

 原油の国際指標であるニューヨークのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物価格は昨秋以降大幅に下落した。昨年12月には1バレル60ドルを割り込んだ。このころから鮮明になったのが、原油関連のETFやETNの発行数増加だ(グラフA)。

 ネット証券大手、SBI証券執行役員の坂本英文商品開発部長は「現物株や株のETFを持つ個人投資家が原油の高いボラティリティー(変動率)に反応。分散投資に動いている」と話す。原油への投資は外国為替証拠金(FX)取引同様にハイリスク。先行きの価格が一段安になるか、反発するかの読みも難しい。だが、株式の値動きに飽き足りない投資家が、ハイリターンを求めて資金の一部を投じている格好だ。

 特に増勢が目立つのが野村グループ発行の「原油ダブル・ブルETN」だ。東京商品取引所の円建て原油の2倍の値動きをする指数に連動する。7月末の発行数は1448万口と昨年末の30.2倍に達した。同じ野村発行のETF「原油インデックス連動型上場投信」も10.1倍の5865万口になった。円換算のWTIに連動する。シンプレクス・アセット・マネジメントのETF「WTI原油価格連動型上場投信」も伸びている。

 これらの金融商品は東京証券取引所に上場されており、株式と同じ感覚で投資できる。SBI証券の投資家(ファンドなど法人も一部含む)の場合、株式などすべてのETF・ETNへの投資額は、今年1月から7月末までの買い付け注文の1件平均で614万円。このうち原油など商品ETF・ETNは65万円だった。ETF・ETNに限ると、原油など商品への投資額は全体の1割程度であることがわかる。

 原油の投資家は現物株や株のETFで数年以上の経験があるベテランが多い。栃木県で農林水産業を営む50代男性は「値動きが大きい点に興味がある。値上がりを狙って買い付けた」と話す。熊本県の会社役員の40代男性は「WTIは底値圏にあると考え積極的に投資している」。「資源関連に投資したかった。原油価格は長期的に良くなると思う」というのは埼玉県の自由業の50代男性だ。

 投資対象が多彩になってきたことも裾野が広がる一因だ。原油投資といえば、かつては石油の元売り会社や開発会社の株しかなかった。しかし、ネット証券大手、楽天証券では石油株以外に14種類の金融商品を取引できる。

 内訳は国内の原油ETF・ETNが4、海外のエネルギーETFが2、エネルギーインフラとシェールガス・オイル関連の投資信託が2、原油先物を対象とする有価証券の一種のeワラントが4、東商取とニューヨークの先物が2だ。

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