世代別ヒロイン決戦、若手女優が強い事務所は?日経エンタテインメント!

有村架純、広瀬すずなどが大ブレイクを果たし、若手女優の活躍の場が大きく広がっている。人気女優を数多く輩出するタレント事務所別に18歳以下の世代から、次代を担う若手をピックアップした。
(7月4日時点の年齢で主な所属女優を分類した)

日経エンタテインメント!では2012年6月号でも、主な芸能プロダクションごとに、各年齢層にどのような女優が所属しているかを表にまとめた。今回は約3年間のアップデートを精査して、最新版を作成した。

この表を横方向に見ると、どの世代の層が厚いかが分かる。また、U‐23は武井咲・本田翼・有村架純など華のあるスター性の高い主演女優が多く、U‐20は松岡茉優・土屋太鳳・小松菜奈ら個性的な演技派が目立つといった、世代ごとの傾向も見られる。

一方で、タワー状の積み重ねを縦に見ると、各事務所にとってのドル箱女優の後続に若手が順調に育っているかがひと目で分かる。

10代後半の頃に学生役から注目を集めた所属女優が、20代後半になるにつれて求められる役柄が変化したときに、高校生役を演じられる年代の有望な若手がいないと、魅力的なドラマや映画のオーディションがあっても参加できず、事務所としては痛手だ。切れ目なく、年齢層ごとに女優を育てることは、事務所にとっての「アンチエイジング対策」とも言える。

広末涼子らが所属するフラームは、ここ1年ほどで、久しぶりに5名ほどの新人が所属した。同社のチーフマネージャー・大塚雅彦氏は「有村架純が20歳になって、当時は次の現役高校生世代の女優がいなかったので、新人の育成が必要だなという危機感がありました。その後、縁があってたまたま同時期に違ったタイプの5人の新人が所属することになりました」と話す。なかでも、山口まゆは『アイムホーム』で木村拓哉の娘役に起用されるなど、評価が高い。

研音は川口春奈が主演女優に成長して以降も、「Next Generation」という新人育成部門の効果が高く、順調に年代ごとの若手が育っている。15年春は現在小6の桜田ひよりがドラマ『ワイルド・ヒーローズ』で活躍したが、夏クールは高1の大友花恋、高3の水谷果穂が連ドラにレギュラー出演する。

山口まゆ(やまぐち・まゆ フラーム) 2000年11月20日生まれ。東京都出身。 子役事務所で活動していたが、フラームの新人募集に応募して、所属が決定。14年、上戸彩主演の『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジ系)で連ドラ初出演。映画『くちびるに歌を』に出演したほか、オーディションで選ばれて、15年春クールの『アイムホーム』(テレ朝系)で木村拓哉の娘役を演じた。淡い存在感に秘める個性と表現に対する積極性が持ち味で、即戦力になる中学生女優として期待される。
大友花恋(おおとも・かれん 研音) 1999年10月9日生まれ。群馬県出身。2011年、当時小6で研音の新人募集に応募して、翌年に『悪夢ちゃん』にレギュラー出演。「ミスセブンティーン2013グランプリ」に選ばれ、専属モデルとして活躍するとともに、15年4月公開の映画『案山子とラケット』で平祐奈とW主演。透明感と深みのある演技が魅力で、「90年生まれ最後の大物」の声も高い。15年7月期の月9『恋仲』(フジ系)では野村周平が勤める病院の入院患者、山城心音役を演じる。

部署別に育成の事務所も

スターダストプロモーションは、セクションごとに独立した戦略で女優を育てていることで知られ、U‐20の年代では、芸能1部(常盤貴子・竹内結子・本田翼らが所属)に森川葵がいて、芸能3部(柴咲コウ・北川景子・ももいろクローバーZらが所属)には早見あかり・小松菜奈がいる。さらに若いU‐16の世代には芸能2部(麻生夏子らが所属)に、ドラマ『表参道高校合唱部!』にも出演する柴田杏花という未来のエース候補が所属する。

アミューズは、上野樹里・吉高由里子・仲里依紗と個性的な主演女優を育ててきたが、その後の世代の三吉彩花と松井愛莉は、世間ではモデルやテレビ番組での活躍の印象がやや強いかもしれない。それだけに、次世代主演女優候補としては、朝ドラ『あさが来た』出演が決まった清原果耶の育成に力が入りそうだ。

オスカープロモーションは、武井咲・忽那汐里・剛力彩芽と相次いで人気女優が生まれたが、いずれもU‐23となり、続く世代の主演女優育成が課題。第13回(12年開催)の全日本国民的美少女コンテストでグランプリになった吉本実憂と、第14回の同コンテストグランプリの高橋ひかるの2人が、年代こそ異なるが次世代のライバルとして浮上した。

清原果耶(きよはら・かや アミューズ) 2002年1月30日生まれ。大阪府出身。 アミューズオーディションフェス2014でグランプリを受賞して芸能界入り。三井不動産グループ「三井のリフォーム」、アステラス製薬「臓器移植をしたきみ」の2本のCMに起用されて話題を集めたのに続き、15年9月28日放送開始の朝ドラ『あさが来た』(NHK)にヒロイン姉妹を支える“ふゆ”役を演じて女優デビューすることが決定。まっすぐな存在感が印象的で、13歳ながら既に完成度が高い、注目の大型新人。
高橋ひかる(たかはし・ひかる オスカープロモーション) 2001年9月22日生まれ。滋賀県出身。 2014年に行われた全日本国民的美少女コンテストで約8万人の応募の中からグランプリ受賞。15年2月に早くも日本生活協同組合連合会、代々木ゼミナールのCMに起用され、同コンテスト出身史上最速のCMデビュー記録を作った。6月からは大鵬薬品工業「チオビタドリンク」のCMにも出演中。16年に公開される竹野内豊主演映画『人生の約束』のヒロイン役で女優デビュー予定。フレッシュな笑顔が魅力。

テンカラット所属の中条あやみは、今年に入って「メリット ピュアン」「ポカリスエット」のCMにメインで起用され、美少女度の高い新星として注目を集めた。90年代に田中麗奈が「なっちゃん」や「フジカラー」のCMに登場した当時をほうふつさせ、CMで鮮烈なインパクトを与える手法は、同事務所の「伝統芸」とも言える。

中条あやみ(なかじょう・あやみ テンカラット) 1997年2月4日生まれ。大阪府出身。 「ミスセブンティーン2011」に応募して、新川優愛らとともにグランプリ受賞。14年、『劇場版 零~ゼロ~』で初主演して脚光を浴びた。15年に入り、松岡茉優が主演した『She』(フジ系)で活躍したほか、花王「メリット ピュアン」、大塚製薬「ポカリスエット」のCMに相次いで起用されて、鮮烈な美しさが注目を集めた。演じている時の神秘的な雰囲気と、明るい等身大の素顔とのギャップも魅力的な、正統派美少女。
松風理咲(まつかぜ・りさき スウィートパワー) 2001年1月17日生まれ。岐阜県出身。 2014年秋にスカウトされて、今春からスウィートパワーに所属している期待のニューフェイス。乗馬・鼓など特技が多く、ホームステイの経験もあって英語も得意。事務所スタッフによると、明るく利発な印象だという。本格的な活動開始はこれからだが、デビュー当時の堀北真希をほうふつさせる「気になる雰囲気」を持ち、中学2年生でスカウトされて中3で所属という経緯も事務所の先輩・堀北真希と同じ。

期待の次世代としてカタログ形式でピックアップした女優は、デビュー以来の実績や最新の出演作、将来性を分析して、今後数年間の各事務所のイチオシになっていくであろう逸材をエンタ!が選んだ。

前回、12年のときの「次世代ヒロイン決戦」で同じようにピックアップしたメンバーからは、有村架純・黒島結菜・松岡茉優・能年玲奈が主演級に成長した(広瀬すずは本格的活動開始前だった)。

今回のメンバーからも、数年後の主演女優が多数生まれることを期待したい。

中村ゆりか(なかむら・ゆりか スターダストプロモーション) 1997年3月4日生まれ。神奈川県出身。 中学1年生のときに渋谷でスカウトされ、13年放送の『幽かな彼女』(フジ系)、14年公開の映画『ニシノユキヒコの恋と冒険』、同年のドラマ『地獄先生ぬ~べ~』(日テレ系)などに出演。透明度の高いビジュアルと豊かな表現力で早くから注目を集めていたが、現在放送中の朝ドラ『まれ』では、ヒロインがパティシエ修行するフランス菓子店のオーナーの娘・池畑美南役を演じ、知名度が急上昇している。
萩原みのり(はぎわら・みのり ソニー・ミュージックアーティスツ) 1997年3月6日生まれ。愛知県出身。 中学2年生のときに地元・名古屋でスカウトされ、13年放送の『放課後グルーヴ』(TBS系)に出演。15年4月クールに放送されたドラマ『REPLAY&DESTOROY』(TBS系)にも出演した。15年7月スタートの『表参道高校合唱部!』(TBS系)に“眼鏡女子”の佐々木美子役でレギュラー出演する。橋本愛の担当マネジャーが発掘した、期待の新鋭。個性派志望で、ユニークな役柄を得意とする女優になりそう。

上原実矩(うえはら・みく ヒラタオフィス) 1998年11月4日生まれ。東京都出身。 2010年に公開されてヒットした映画『君に届け』で多部未華子が演じた主人公の少女時代を好演。13年、高梨臨が教師役で主演した深夜ドラマ『放課後グルーヴ』(TBS系)で萩原みのり・古泉葵らとともにメインの生徒役のひとりとして出演して、注目を集めた。15年3月公開の映画『暗殺教室』に出演したのに続き、9月12日公開の映画『ガールズ・ステップ』に出演。個性派の風格を漂わせる注目株。
中野あいみ(なかの・あいみ ライジングプロダクション) 2001年4月7日生まれ。神奈川県出身。 2014年、ニコラモデルオーディションでグランプリのひとりに選ばれ、同年10月号から『nicola』専属モデルとして活動開始。15年4月から、これまでに平井理央(現フリーアナ)・ベッキー・松岡茉優らを輩出した「おはガール」となり、『おはスタ』(テレ東系)にレギュラー出演している。ロングヘアーが印象的な爽やかなルックスと明るいキャラクターが持ち味。今後は、女優としての活躍も期待したい。

古泉 葵(こいずみ・あおい フォスター) 1997年9月2日生まれ。東京都出身。 落ち着いた雰囲気が魅力の演技派。中学2年生の秋に地元でスカウトされ、2012年に女優デビュー。2014年公開のオムニバス映画『放課後ロスト』では松岡茉優が主演したエピソード3「倍音」で準主役。同年秋公開の映画『太陽の坐る場所』では水川あさみが演じた主人公の高校時代を演じた。最近では『夢を与える』『予告犯-THE PAIN-』(ともにWOWOW)で出演したほか、『想ひそめし』(メ~テレ)第2首でヒロイン役。
優希美青(ゆうき・みお ホリプロ) 1999年4月5日生まれ。福島県出身。 2012年にホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリとなり、13年公開の『空飛ぶ金魚と世界のひみつ』で映画初主演。同年放送の朝ドラ『あまちゃん』で東北出身のアイドル・小野寺薫子役を演じて注目を集める。朝ドラ『マッサン』では主人公の養女・エマを演じた。体調不良のため休業していたが、7月5日スタートの連ドラ『デスノート』(日テレ系)に出演して復帰する。ナチュラルな優しい存在感が印象的。

古畑星夏(ふるはた・せいか レプロエンタテインメント) 1996年7月8日生まれ。東京都出身。 2009年、ニコラモデルオーディションでグランプリ。14年放送の『きょうは会社休みます。』(日テレ系)では綾瀬はるかの恋のライバル役を好演。15年6月27日にスタートした『ラーメン大好き小泉さん』(フジ系)にヒロインのクラスメイト・中村美沙役で出演。女優として成長を見せる期待株。13年から『Seventeen』専属モデルを務めているほか、『めざましテレビ』(フジ系)に“イマドキガール”として出演中。

(ライター 高倉文紀)

[日経エンタテインメント! 2015年8月号の記事を再構成]

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