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新米パパは父子手帳をまず読むべき

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日経DUAL
「男性学」が専門の武蔵大学社会学部助教、田中俊之さんが「新米パパの成長を促すのに役立つ」と一読を勧めるのは、最近自治体が発行するようになった「父子手帳」です。父子手帳にはどんなことが書かれているのでしょうか。

父子手帳を知っていますか?

親であれば、誰でも母子手帳を見たことはあるでしょう。母子手帳の原点は、1942年に発行された「妊産婦手帳」です。当初は妊産婦自身の健康状態を管理する手帳でしたが、その後、子どもについても記録できる形式に変わります。そして1965年には「母子手帳」に名前が変わり、自治体に妊娠の届け出をすると交付されるようになりました。

その一方で、一部の自治体では「父子手帳」を発行するようになってきました。1990年代の半ばから各自治体が独自に作っていますが、認知度はまだまだと言ったところだと思います。父子手帳は母子手帳とは違って、現状では共通の様式はないですし、自動的に交付されるわけでもありません。

ですが父子手帳には、これから子どもを育てていく上で必須となる基本的な知識が体系的に掲載されています。子育て費用や子育て仲間のつくり方、そしてミルクの飲ませ方など、どれも新米パパが求めている情報ではないでしょうか。みなさんの住んでいる地域の自治体で父子手帳が発行されているのであれば、ぜひ手に入れて、いつでも見られるように手元に置いておくべきです。

そこで今回は、東京都の『父親ハンドブック』と、すくらむ21川崎市男女共同参画センター発行の『ちちしるべ』を基に、父子手帳に書いてある内容やその意義について考えていきたいと思います。ちなみに今回紹介している2つの父子手帳は、それぞれ東京都福祉健康局とすくらむ21川崎市男女共同参画センターのホームページからダウンロードすることができます。

イクメン気取りだったと、先輩パパが反省

父子手帳では、例えばオムツについては、「こまめにお尻のニオイを嗅ぐ」「ビニールに入れて捨てる」、お風呂の入れ方では「お湯が目に入らないように」と具体的に分かりやすく記述されています。すでに子育て中のパパや知識が豊富なママからすれば、こんな初歩的なことから教える必要があるのかとがっかりするかもしれません。でも、知らないことをそのまま放っておくほうがよほど問題だと思います。新米パパだって子どもと一緒に成長していけばいいんです。

また、新米パパの陥りがちな勘違いについても、先輩パパの体験談でさりげなく気づきを促していたりもします。例えば、こんな体験談もあります。「『お風呂? 入れてるよ』ってパパ、いますよね。でも話を聞いてみると、お風呂に入れる準備とその後のケアはママがやっていたりと、本当の意味で『お風呂に入れている』わけじゃない人がけっこう多い。僕もそうでした! 今思い出すと楽しい部分だけやってイクメンって名乗ってたなとちょっと赤面です(笑) 」

先輩パパのこうした体験談を読んでいると、少しお手伝いをしただけでイクメンだと思っていたパパは反省するのではないでしょうか。同時に、誰でも初めから完璧にできるわけではないと分かれば、やる気だって出てきますよね。

パパ友づくりの背中を押してくれる

仕事中心の生活を送りがちな男性たちに、「プライドを捨ててパパ友をつくろうよ」と提言しています。同じように父子手帳にも、「子育て仲間をつくろう」という項目があります。

「子供ができると、近所付き合いなんて面倒と思っていた人も『遠くの親戚より近くの他人』が頼りになることを実感するのではないだろうか。子育てのちょっとした悩みを話したり、子供を預け合ったりできるのも、ふだんの付き合いがあってこそ」

子育ては喜びだけではなく、苦労も伴います。大人になると友達なんて必要ないと思いがちですが、身近に同じ悩みを共有する仲間がいるだけでだいぶ気持ちが軽くなります。

地域で活動しているグループもおすすめ

父子手帳では、パパ友を作るために、保健センターや保健所の両親学級や地域の公民館などの父親講座に参加することを勧めていることがあります。ただ、この点については、これまで男性を対象にした講座を何度も受け持ってきた経験上、1回かぎりの講座で男性同士が友達になるのは非常に難しいと言わざるを得ません。男性たちは講座が終わるとクモの子を散らすように帰ってしまうのです。講座内でパパ同士が会話をする場を設けるといった工夫に加えて、お互いに顔なじみになってもらうために、単発ではなくできれば連続講座にする必要があります。

また、父子手帳では、地域で活動しているパパのグループがいくつか紹介されています。一般的に、パパ友は子どもの通う幼稚園や保育園のほうが作りやすいので、それと比べると少しハードルは上がってしまいますが、こうした地元コミュニティでの活動にも積極的に参加すると交流の幅が広がっていきます。例えば、動物公園での交流会や地域の工場見学など、大人も子どもも楽しめる講座を用意しているグループもあります。

こうした地域での活動なら、「パパ友づくりは単なる飲み会の口実で、パパの気晴らしにしかならない」とママから非難されることもなくなるでしょう。地域の工場見学は、子どもたちが自分たちの住む街についてよく知るきっかけになりますし、働く人たちを目の当たりにすることで、親の仕事に興味を持つきっかけになるかもしれません。

父子手帳をパートナーにして子育てに向き合う

父子手帳のいいところは、単に知識を身につけられるだけではなく、客観的にパパとしての自分の現状を把握できることです。例えば、東京都の『父親ハンドブック』には、精神科医が作成した「あなたはどんなパパになる?」という診断テストが掲載されています。回答によって、パパは「無関心パパ」「わかっちゃいるけどパパ」「平成ナチュラルパパ」「ちょっとオタクパパ」「イエローカードパパ」のどれかに分類されます。

こうしたチェックリストを作ると、個々のパパのやり方に優劣をつけるなんてやりすぎなのではないかと否定する意見が必ず出てきます。確かに、低い評価を受けたパパからすれば気持ちのいいものではないかもしれません。ここで言えば「イエローカードパパ」は、文句の一つも言いたくなるでしょう。

ただ、もし自分が「イエローカードパパ」だったとしても、落ち込まなくて大丈夫です。逆に、「平成ナチュラルパパ」だからと言って威張ってはダメです。この診断は、あくまで家事・育児という観点からパパを評価した結果として理解する必要があります。仕事や地域活動といった他の項目では、また違った結果になるかもしれません。

最近では、仕事ができて、家事・育児もこなし、さらに、外見に気を使っておしゃれなパパを「イケダン」と呼び、もてはやす風潮が一部にあるようです。でも、すべての面で完璧なパパなんて、世界中のどこにも存在しません。理想を持つのはいいことですが、実現不可能なイメージに振り回される人生は辛すぎます。メディアの流す情報に振り回されず、父子手帳を参考にして、ママやパパ友と協力しながら、身の丈にあった自分なりのパパスタイルを作っていきたいものです。

パパ友づくりを勧めていますが、人との交流が好きではない、あるいは、苦手というパパもいると思います。私も初対面の人と話すのが苦手ですし、社交的なほうではないので、そうした気持ちは十分に理解できます。ただ、だからといって一人で悶々としていても余計に気がふさいでしまいます。人付き合いが得意でない新米パパにこそ、ぜひ父子手帳をお薦めしたいと思います。父子手帳をパートナーにして、じっくり子育てに向き合ってみてください。

なお、男性のための相談窓口を設けている男女共同参画センターもあります。近所に気軽に話せるパパ友がいない場合には、利用してみるのもいいかもしれません。こうした地域ごとの情報をとりまとめた父子手帳があれば、パパたちはより積極的に子育てに関わることができるようなるはずです。父子手帳のさらなる普及と発展が期待されます。

記事関連URL
●東京都福祉保健局 『父親ハンドブック』
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/ouen_navi/f_handbook.html
●すくらむ21川崎市男女共同参画センター ちちしるべ
http://www.scrum21.or.jp/news/publication_ccb/
田中俊之
1975年、東京都生まれ。武蔵大学社会学部助教。博士(社会学)。専門領域は男性学、キャリア教育論。著書は『男性学の新展開』(青弓社)、『大学生と語る性』(晃洋書房、共著)、『ソシオロジカル・スタディーズ』(世界思想社、共著)、『揺らぐ性/変わる医療』(明石書店、共著)など。近刊は『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)

[日経DUAL 2015年6月25日付記事を再構成]

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