マネー研究所

20代から始めるバラ色老後のデザイン術

賃貸暮らしの間にマイホームの頭金をためる方法 賃貸生活のマネープラン(4)

2015/7/28

■ボーナスからしっかりためること

 一方で、賃貸暮らしにとってのチャンスもあります。それは家賃にはボーナス払いはない、ということです。住宅ローンについては毎月の返済を軽くする目的もあってボーナス返済を併用することが多いのですが、家賃は月払い以外の負担がありません(ただし更新料が2年に1度かかる)。

 となると、「賃貸暮らしで頭金づくり」のチャンスはボーナス活用にあるといえます。ボーナスからできるだけ多くを将来のためのストックとして残しておくことができれば、頭金はどんどんたまります。

 家を買う、という目標のために、数年間はボーナスを半分以上残していく意識を持ちましょう。ボーナス額にもよりますが、ボーナスごとに20万~30万円くらいためることができれば、「毎月○万円の貯金」よりハイペースでお金がたまっていくことになります。

 もちろん手ごろな物件を選んで買うことも大切です。「一生の買い物」なのですからセールストークに踊らされず、堅実な選択を行うようにしましょう。

■一生賃貸を目指すならこれまた数千万円の貯金が必要

 ところで、「そうはいっても、自分は家は欲しくない。ずっと賃貸派で行きたいなあ」という人もいるでしょう。そういう人も、「頭金」準備が必要です。老後に暮らすための家賃を定年前にためておく必要があるからです。

 年金生活に入ってから、死ぬまでのあいだ(統計的には20年は意識する必要がある)、家賃を払い続ける場合、その場でもらった年金から支払うと老後の生活がかなり厳しくなります。老後の20年にかけて支払う家賃については定年前にためておくことが望ましく、「頭金」の感覚でお金を準備しておきたいのです。

 仮に月5万円のところに引っ越したとしても年間60万円、20年なら1200万円が必要です。月8万円なら1920万円ですから、むしろ家を買う頭金以上の金額を確保して定年を迎えることが必要です。

 長生きをする場合も考えると、この「頭金」はもっと必要です。30年後の老後があれば、月5万円の家賃でも1800万円が必要になってしまいます。家賃はずっとかかり続けるため、本当は老後のためのお金はもっと欲しいところです。マイホームを取得した人の老後資金準備と同じように老後のためのお金をためればいい、というわけではないのです。

 「生涯賃貸派」で行きたいと思うのは気楽なようで、定年後むしろ厳しい生活になるかもしれません。バラ色老後に向けてしっかり準備していくことが必要です。

山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ) 1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、1級DCプランナー、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。論文「個人の老後資産形成を実現可能とするための、退職給付制度の視点からの検討と提言」にて、第5回FP学会賞優秀論文賞を受賞。近著に『20代から読んでおきたい お金のトリセツ!』(日本経済新聞出版社)。twitterでも2年以上にわたり毎日「FPお金の知恵」を配信するなど、若い世代のためのマネープランに関する啓発にも取り組んでいる(@yam_syun)。ホームページはhttp://financialwisdom.jp

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著者:山崎俊輔
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