マネー研究所

NISAで何を買うか

NISAで長期投資、コスト重視ならETF 編集委員 北沢千秋

2015/7/21

保有コストの安さなどから、一部の個人投資家の熱い支持を集める指数連動型上場投資信託(ETF)。長期投資を前提にしたNISA(少額投資優遇制度)口座の運用でも、コスト重視で商品を選ぶなら、ETFは有力な投資候補になる。運用にかかる費用は投資期間が長くなるほど運用成績を圧迫し、わずかな差がリターンを大きく左右するからだ。ただ、ETFは商品の制約上、積み立て投資には不向きなど、投資するうえで注意すべき点もある。NISAで買う商品を安さだけで決めるのも考えものだ。

■安い信託報酬に熱い支持も

ETFは日経平均株価や米S&P500など、国内外の様々な指数との連動を目指す投信だ。個別株投資のように銘柄を選ぶ必要がない。一般の公募インデックス投信と運用の目標は同じだが、違いは取引所に上場していること。公募投信が1日に1回算出される基準価格を参考に売り買いするのに対し、ETFは個別の株式のように、市場で取引されている値段を見ながら注文を出せる。投資経験の豊富な人なら、自分の相場観で「きょうは日経平均が急落しているから安値を拾おう」などと、機動的に注文を出せる。

投資対象の多様さも魅力のひとつ。国内上場のETFは品ぞろえが年々広がり、国内だけでなく世界の主要な株式や債券、不動産投資信託(REIT)、金や原油などコモディティーの指数に連動するETFが買える。ネット証券などでは多くの海外もの(海外市場に上場するETF)を扱っており、ポーランド株やバングラデシュ株などなじみの薄い外国株や、世界のヘルスケア産業、世界の農業関連といった特定テーマの株式にも投資できる。例えば、「将来のインフレや急激な円安による円資産の価値下落に備えたい」というなら、世界のコモディティー指数に連動するドル建ての海外ETFを買う、という選択も考えられるだろう。

投資家層の広がりはないが、ETFは「一部の個人投資家から熱烈に支持されている」(篠田尚子・楽天証券経済研究所ファンドアナリスト)。その最大の理由は、保有コストの安さにあるという。

そこで主要な資産に投資する低コストのインデックス投信と、ETFの信託報酬を比べてみた(表)。信託報酬はファンドの運用・管理にかかる費用で、1年間に純資産残高の何パーセントを支払うか、という形で表示される。インデックス投信の信託報酬は運用会社間の価格競争でここ数年低下しており、かつてほどの差はないが、それでもETFの信託報酬は公募のインデックス投信の4分の1から4分の3程度にとどまっている。

主な低コストのインデックス投信とETF
●日本株(日経平均)
インデックス投信信託
報酬(%)
ETF信託
報酬(%)
ニッセイ日経225インデックスファンド0.27SMAM日経2250.14
●日本株(TOPIX)
ニッセイTOPIXインデックスファンド0.31MAXIS TOPIX0.08
●先進国株(MSCIコクサイ・除く日本・円ベース)
ニッセイ外国株式インデックスファンド0.42MAXIS海外株式など0.27
●新興国株(MSCIエマージング・円ベース)
野村インデックスファンド新興国株式など0.65iシェアーズエマージング株0.18
●先進国債券(シティグループ世界国債インデックス・除く日本・円ベース)
ニッセイ外国債券インデックスファンド0.42日興上場外債0.27
●新興国債券(―)
SMT新興国債券インデックスファンドなど0.65日興上場新興国債0.49

注) ()内は連動する指数、新興国債券はインデックス投信がJPモルガン、ETFがバークレイズの指数

中でも突出して安いのがTOPIX(東証株価指数)連動のETFだ。「機関投資家の大口取引が中心だから可能な値段。小口の売買が多く事務コストがかかる他のETFではとても実現できない水準」(大手運用会社)という。

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