変わるお墓の選び方 納骨堂などコストと特徴を知ろう

お墓選びが変わり始めている。墓地に墓石を建てて遺骨を埋葬する従来型の墓に代わり、納骨堂や樹木葬などを選ぶ人が増えている。購入費用が比較的安く、子や孫など後に残された人の負担も小さいというのが理由だ。それぞれの墓の特徴を知り、納得のいく選択をしよう。
納骨堂では専用の参拝スペースを設けているところも(東京都港区の伝燈院赤坂浄苑)

都内に住む女性、Aさん(70)の現在の関心事は自分の墓選びだ。夫と離婚して以来、一人暮らしを続けてきた。出身地の東北地方に親の墓はあるが、独立した子どもたちの生活の拠点は東京近郊にある。そこで都内の霊園で、墓石代わりに木を植えた区画に遺骨を埋葬する樹木葬を考えているという。

納骨堂や樹木葬を選ぶ人が増えている。お墓の情報サイトを運営する鎌倉新書(東京・中央)の調査によると、2014年度に墓を買った人のうち「納骨堂など」を選んだ人は15%と3年前に比べ6ポイント上昇した。全体でみるとまだ少数派だが、従来型の墓の費用負担などを敬遠し「都市部を中心に増える傾向は続きそう」(鎌倉新書)という。

従来型の墓を建てる際の主な費用は、墓地を使用する権利を取得する永代使用料、墓石代の2つ。建立後は一種の共益費である管理料が毎年発生する。墓地は寺が運営する寺院墓地、自治体の公営墓地、宗教法人や公益法人から企業が運営を請け負う民営霊園に分かれている。

従来型の墓は費用の負担が重くなりやすい。鎌倉新書の調査によると墓を購入した人が払った永代使用料は平均77万円、墓石代は同135万円だった。地域ごとにばらつきはあるが、総額で100万~200万円が多い。

都市部では高額に

永代使用料は埋葬場所の地価をほぼ反映するため、都市部では高額になりやすい。例えば東京都の墓地の平均面積は全国で最小だが、永代使用料の平均は120万円と最も高い。都内にある有名寺院の墓は一般的な大きさで400万円を超える例もある。

もう一つ挙げられるのが子・孫や親族の負担だ。従来型は墓を継ぐ人がいるのが前提となっている。永代使用料を払っても区画を使えるのは管理料などを払っている間だけ。管理料はさほど高くないが、子や孫などが長期間にわたって管理料を払わず連絡も付かなければ墓は取り除かれ、遺骨が移されてしまうこともあり得る。管理料を納めても掃除や草取りなどをしないと墓は荒れてしまう。

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