ブームの女子アイドル、次世代ブレイク候補が続々登場
日経エンタテインメント!
2014年は、AKB48のCD売り上げ枚数やももいろクローバーZのライブ会場規模が、日本の音楽産業の最高水準に達した。一服感からのブームの減速が懸念されたが、彼女たちに続くメガヒット候補が次々と登場中だ。
その筆頭が乃木坂46。3月のシングル『命は美しい』は、初週売り上げ枚数が初めて50万枚を突破。今年は『NHK紅白歌合戦』へのリベンジ出場との明快な目標があり、勢いを維持すれば、ライバルのAKB48超えが現実味を帯びる。
そのほかにも、2月の『ミュージックステーション』(テレ朝系)への出演で一夜にして注目の的となった私立恵比寿中学や、結成10年目にして6月に初の単独アリーナ公演を行う℃‐uteなど、実力派の飛躍も期待される。
E‐girls、BABYMETAL、でんぱ組.incはアーティスト色をより濃くしながら、ライブ規模を拡大している。シングルよりもアルバムセールスが好調なのも3組の共通点。アイドルらしいギミックや親しみやすさを残しつつ、音楽性を高めることで広くファンを獲得している。
ライブが市場を底上げ
初の日本武道館を決めたアイドリング!!!やアンジュルムのほか、次に日本武道館を狙う中規模ホールのゾーンにも新顔が登場。さらに、1300人規模の赤坂BLITZや2000人規模の各地のZeppなど大規模ライブハウスに到達したグループも急増した。
顔ぶれを見ると、メジャーデビューをしておらず、ライブ中心に活躍しているグループが目立つ。多少背伸びをしていると思われるグループもあるが、大型会場でのライブの成功を目標に掲げると、その過程で、ファンと一体となった盛り上がりを作れるメリットがある。この規模のライブハウスは「2階を関係者席にして、フロア後方を閉鎖すれば、定員の7割程度の入りでも形になる」とある関係者が指摘するような背景もある。
ただ数年前までは、数えるほどのアイドルしか立てなかった会場であることも確か。こうしたグループが、ホールクラスまでステップアップできると、シーン全体の足腰は強くなる。
一方で、ライブ規模は小さいが、CDを1万枚以上着実に売り上げるグループも多い。こうしたアイドルは、定期公演を実施したり、対バンにも積極的に出演したりと、ファンとの接触頻度が高く距離感がより近いことが多い。オリコンチャートへのランクインを目指し、数カ月間に渡り、連日新曲のキャンペーンを行うこと自体が、大規模会場で行うライブと同等のイベント性と持つと言える。
爆発的な市場の拡大は落ち着いたものの、堅調な成長は続いていると言える。支えているのは、ここで動きがあり、新鮮なニュースを発信しているアイドルたちだ。
(ライター 上原太郎、作図 カネコシュウヘイ)
[日経エンタテインメント! 2015年7月号の記事を再構成]
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