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0歳児と満員電車で40分、保育園料は月額12万円超

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日経DUAL
「子育て支援、待機児童解消。そんな言葉にもむなしく冷めた気持ちにしかなれないほど、私の保活は厳しく、悲惨なものでした」。こう語るのは、都内在住のワーママ、滝川玲子さん(38歳、仮名)。「保活の現状をぜひ知ってほしい!」。0歳児を抱えて満員電車で保育園に登園している滝川さんが日々考え続けていることを伺いました。

産休中に、勤務先の外資企業が日本から撤退

DUAL編集部 滝川さんは現在1歳9カ月(2015年2月現在)の息子さんをお持ちですね。産休中に転職し、2014年1月から外資系メーカーでフルタイム勤務を開始。会社近くの無認可保育園に息子さんを預けているとのこと。最初にキャリアについて伺いますが、もともとは学校の先生をされていたのですよね?

滝川さん(以下、敬称略) 私の父親も母親も教員でした。二人とも定年まで勤め上げています。父はその時代では珍しかった「家事メン」。夫婦共働きというのが、ごく自然な存在でした。そして私自身も子どものころから「先生になりたい」と思い続けて、高校の教員になりました。

大学ではフランス史を専攻。教員になってからもフランス語を学び続けていて「もう少しフランス語をしっかり学びたい」という気持ちが、教員を続けたい気持ちに勝ってきたのです。教員になって7年目のことです。

―― その当時、ご結婚はされていたのですね。

滝川 はい。2004年に結婚して、2005年3月に教員を辞め、非常勤講師をしながら語学学校に通い始めました。2006年には半年間、フランスに留学しました。夫は日本に残っていたので、単身での渡仏でした。帰国後はアルバイトなどで語学のブラッシュアップを続け、2009年にフランスのエンターテインメント系メーカーに念願の通訳として就職することができました。2013年5月に息子を授かって産休に入ったのですが、そのさなかに「会社の日本撤退」という話が持ち上がったのです。

「就業していないと保育園に入れない」 保活と転職活動が同時に

―― そもそも、それまで「保活」はしていなかったのですね。

滝川 待機児童の問題があるとは知っていましたが、どこかの保育園には入れるだろうと軽く考えていました。大きなおなかを抱えてハードな仕事をこなすので精いっぱい、生まれた後もバタバタと慌ただしく、「保活」に向き合う余裕が無かったというのが現実です。

保育園の問題と、会社の経営難の話は同時にやってきました。2013年の11月でしたね。噂で会社の経営難を聞き、問い合わせてみたところ、「日本から撤退するかもしれない」と言われて。ちょうどそのころ、区の認可保育園の申し込みが始まる時期でした。そのときは、無知ゆえに「申し込みが始まるんだ」くらいの認識で、全く焦りは感じていませんでした。

ところが調べるうちに、「就業していないと保育園に入れるのは非常に難しい」ことが分かってきて。募集要項を読むと、今仕事をしておらず、求職中の状態だと点数がかなり下がってしまう。「フルタイム8時間の共働き」という状態でないと保育園に入れないのが「大前提・オブ・大前提」ということを理解しました。

仕事が無くなったら、保育園どころの話ではない…。それで、慌てて産休中に転職活動を始めたのです。

―― この問題は、他の保活ママからも多く指摘されています。仕事をしていない状態でハローワークで求職すると「保育園に入れるという確証はあるのですか」と聞かれ、保育園は、就労していないと申し込めない。制度のはざまに落ちてしまうと。

滝川 自分の業界の話で恐縮ですが、全く同じ話が「就労ビザ」でもあるのです。外国人が日本で就労したい場合、「ビザがないと働けない」。でも「働いていないとビザが下りない」。外国人就労と保育園入園は、構造的に一緒なんだなと思いました。

―― そこで産休中に転職活動を始め、現在の勤務先であるフランスの飲料メーカーへの転職を決めたのですね。語学のスキルが強みになったのでしょうね。

滝川 転職サイトに登録し、マッチングで紹介されました。収入は残念ながら2割半ほど減りました。

駆け込み面接だったのですが、無事に採用されました。ただ誤算だったのが、保育園に入れる前提で3月末までは休むつもりでいたのですが、2014年の1月から勤務してほしいと言われたことです。

―― 正直、子どもの成長を一番見たいときでしょうし、3カ月の前倒しはつらくなかったですか?

滝川 生後8カ月でしたので、会社のトイレで搾乳して冷蔵庫に入れさせてもらって持ち帰って、気持ちの面でも体力的にも大変でした。

転職には成功。保活は苦戦の末、月額12万円以上の無認可園へ

―― 話を2013年11月に戻します。保活と転職活動を同時に始めたとのことですね。

滝川 2013年12月に5園ほどの認証や認可保育園に申し込みました。認可は全く望み薄。認証でもその時点で60~70人待ちだったのですが、「認可に決まった方からキャンセルしますから順番は上がっていきますよ」とのことで、どこかには入れそうだと思っていたのです。

ところが当時住んでいた区の認可保育園はもちろん、5園申し込んだ認証保育園のいずれにも入ることができなかったんです。住んでいた区の隣接区にまで拡大して申し込んだにもかかわらずです…。認可保育園の受け皿として設けられているはずの認証保育園にさえ入れないケースがあるんだ、と愕然としました。

―― 結果的には家から電車で40分かかる、都心の会社近くにある無認可の保育園に落ち着かれたのですよね。支払いは12万円弱から、多い月は15万円とのことです。どうやって探したのですか?

滝川 「会社の近くではどうだろう?」とネットで検索してヒットしました。すぐには入れませんでしたが、4月からなら空きが出ると言われました。その理由は、無認可だからか、保育料が高いからか、栄養士さんによる手作り給食が無いからか…。

1月から3月末まではシッターさんや実家の両親、夫に協力してもらいながら何とか家庭で保育し、2014年4月から正式にそちらの無認可園に入園しました。

今は、9時から18時45分まで預けています。保育園自体は20時まで開園していますが、一日の保育時間が8時間を超えると保育料が割り増しになり、18時を回るとさらに割り増されるシステムです。ならすと毎月の保育料は12万~13万円です。

私達は本当に最後にぎりぎりの選択をして12万の保育園を選びましたが、家計的にはとても大変でした。そしてそれが、すべての家庭にできることではないことは十分想像できます。うちだって子どもが二人いたらとてもじゃないけれど無理でした。この仕組みはどう考えてもおかしいし、変えていかなければならないと思います。

―― 毎日、保育園の昼食用にお弁当も作っているのですね?

滝川 はい。500円払えば仕出しのお弁当を食べさせてもらえるのですが、保育料を少しでも抑える目的と、息子にせめて手作りのものを食べさせたいという思いもあってお弁当を選びました。入園させるときに自分の中で決めたことでもあり「ベビーフードや出来合いのものは持っていかない」を目標に、続けています。

―― 手作り弁当とは、かなり大変では。

滝川 昼と夜が同じおかずになってしまうときもあるし、休日などは普通にファミレスでお子様ランチを食べさせていますので、あまり意味のない目標かもしれませんが…。保育園や夫に対して、「頑張っている」アピールをしたいだけなのかもしれませんね(笑)。

(ライター 阿部祐子、撮影 鈴木愛子)

[日経DUAL 2015年6月16日付記事を再構成]

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