マネー研究所

NISAで何を買うか

NISAで利益上積み狙う「サテライト」運用 編集委員 北沢千秋

2015/7/7

 せっかくNISA(少額投資非課税制度)口座で投資するなら、リスクは覚悟のうえでそれなりのリターンを狙いたい――。投資の初心者でもそう考える人は少なくないだろう。NISAでは、手にする利益が増えれば増えるほど、非課税のメリットが大きく生きてくる。もしも定期預金などの金融資産をある程度保有しているなら、一部の資金を高いリターンが望める資産に振り向けるのは、理にかなった運用戦略だ。NISA口座は「余裕資金の運用枠」と割り切って、日本株や外国株に振り向けてみてはいかがだろうか。

■余裕資金で高リターン狙う

 こうした運用方法は「コア・サテライト戦略」などと呼ばれる。安定的な収益を期待するコアのポートフォリオ(資産の組み合わせ)に加え、高いリターンが望める資産をサテライト(衛星)として保有し、利益の上積みを狙う。例えば1000万円の金融資産を持っている人なら、900万円は将来の生活の備えとして定期預金にしておき、余裕資金の100万円をサテライトとして日本株投資に振り向ける、といった使い方だ。このサテライト部分にNISA口座を利用すれば、期待通りに利益が出たときには、非課税の恩恵がある分だけリターンは膨らむ。

 投資の初心者がこの方法を使うときに心しておきたいのは、サテライト部分には必ず余裕資金を充てること。高いリターンを期待する分だけ背負うリスクも大きくなるからで、もしも損失が出た場合、それで生活設計が狂ってしまうようでは困る。日本株のリスクが20%だとすると、100万円を投資して最悪の場合には40万円の含み損を抱える恐れがある、という考え方がある(連載1回目「NISAやるなら、分散投資で『負けにくい』運用を」参照)。「そんな損失はとても耐えられない」という人なら、投資額を減らすのが得策。さもなければ、最初からリスク資産投資をあきらめるしかない。

■日本株か外国株か、手持ち資産との相性で

 では、サテライト部分に適した投資対象は何だろう。債券では期待リターンが物足りないので、やはり国内外の株式が有力な候補になる。そして、日本株か外国株のどちらを選ぶかは、手持ちの資産との相性(分散効果)を考えて決めればいい。

 保有資産が定期預金や個人向け国債など円資産中心なら、サテライトの投資では円資産との分散効果が期待できる外国株がいい。資産の一部を外貨建てで持てば、急激な円安など円資産の価値下落に対する備え(ヘッジ)にもなる。逆にドル預金や外国債券で運用する投資信託などをすでに保有しているなら、日本株の組み入れを考えたい。自分の保有する金融資産全体のバランスをみて、足りないと思う資産を組み入れるのがポイントだ。

 ただ、初心者が株式投資する場合、個別株への投資では銘柄選びが高いハードルになる。初心者はとかく誰もが知っている知名度の高い企業を選びがちだが、大企業や有名企業が必ずしも投資対象として適切というわけではない。実際には、プロが運用する投信を買うのがやはりお手軽で現実的だ。

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