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緑地が広大な品川シーズンテラスはランナーにも魅力

2015/7/25

日経トレンディネット

2027年の開業を目指すリニアモーターカーの「東京都ターミナル駅」や40年ぶりの山手線の新駅の話題で盛り上がる品川駅周辺エリア。国際戦略総合特区「アジアヘッドクォーター特区」のひとつにも指定され、東京の新たな玄関口としても注目されている。

「品川シーズンテラス」はJR品川駅港南口(東口)より徒歩6分。地下1階、地上32階建て
アネックス3階のカンファレンスルームから見下ろした緑地ゾーン。緑地の向こうには大規模タワーマンション群がある

そんな品川駅周辺エリアに2015年5月28日、国内最大級のオフィスビル「品川シーズンテラス」がオープンした。同施設は1931年に設置された東京都下水道局の芝浦水再生センターのリニューアルによって出現する、広大な上部空間を活用した大規模開発プロジェクト。地下の下水熱エネルギーでほぼ100%の空調をまかなうなど、新技術を駆使した国内最高水準の環境配慮型ビルとなっている。さらに大規模な地震があっても被害を最小限に抑えられる免震構造を採用し、非常時にライフラインが途絶えても、72時間利用できる非常時電源でビル機能を維持できるという。

地上32階のうち、5~31階はオフィスフロア。1~3階は品川港南エリア最大級の商業ゾーンで、飲食を中心に21店舗が出店している。東京の新玄関口としての品川への期待を感じさせる品川シーズンテラスには、いったいどんなショップが出店しているのか、足を運んでみた。

■オフィスビルなのに、ターゲットは「アスリート」?

同施設の最大の特徴が、とてつもない“広さ”。通常、1フロア300坪程度あれば巨大オフィスビルと呼ばれるが、同施設のオフィスフロアはその5倍の1500坪もある。

建物を取り囲む広大な緑地は都心部の生態系の充実とヒートアイランド現象の抑制に役立つという(写真は施設北側緑地)

さらに巨大なのが、建物を取り囲む3.5ヘクタールもの緑地。3.5ヘクタールといわれてもピンと来ないだろうが、サッカーコート4面分と聞けば、その広さが想像できるだろうか。緑地内には、ランニングやジョギングに適した歩道も整備されている。建物に接している3分の1程度のエリアには街灯などの照明があるため、ナイトランニングも可能(それより奥は芝浦中央公園となるので、夜間は閉鎖)。品川駅近くの高浜運河沿緑地はほどよい距離の初心者向けジョギングコースとして人気だが、品川シーズンテラスの緑地は品川ランナーたちの新たな人気スポットになりそうだ。

GOOD MORNING CAFEのテラス席はランニングコースに直結
GOOD MORNING CAFEの「GMセゾンボックス(スープ、パン付き)」(税込み1200円)

そこに着目して出店したのが、ランナーやアスリートをターゲットにした3店舗。朝食メニューが人気の「GOOD MORNING CAFE」は、店内に本格的なランナーズステーション「10 OVER 9 RUN CUBE」を併設。ロッカーやシューズロッカー、シャワールームを完備した施設を利用して快適にランニングを楽しんだあと、健康的でおいしい朝食が楽しめる。

もうひとつは、管理栄養士によるアスリート向けメニューを、「一汁一飯三主菜」スタイルで提供するレストラン「鹿屋アスリート食堂」。定食の「選べる主菜」メニューやレシートにはカロリーや栄養素が記載されるので、「ランニング記録と一緒に摂取カロリーの管理もしたい」という人にはとても便利だ。

CAFE内に品川ランナーをサポートするためのステーション「10 OVER 9 RUN CUBE」を併設。ロッカーやシャワーを完備
「鹿屋アスリート食堂」は36席(店内24席/テラス12席)。15皿のメニューから一汁一飯三菜を選んで組み合わせる「バランス定食」(970円)が人気。

これら3店はいずれも、東京・大阪をはじめ全国に約50店舗のレストラン・カフェやスイーツショップを展開するバルニバービ(東京都台東区)グループが運営。アスリート食堂は都内では神田本店・丸の内店・両国テラス店に続く4店舗目。同社によると既存店はアスリートだけでなく健康管理に気を配るサラリーマンにもファンが多く、ほとんどが常連客だという。

エントランスのエスカレーターを上がってすぐ右手にあるのが、カフェ&ブックラウンジ「THE 3RD CAFE by Standard Coffee」。同カフェは大手飲食チェーン初のサードウエーブコーヒー・カフェで、山王パークタワー店、虎ノ門ヒルズ店に続く3店目となる。

「THE 3RD CAFE by Standard Coffee」(タワー棟2階)は平日7時半-21時、土日祝日 10-18時。
ミーティングや仕事などにも使えるように71席と既存店より約20~30席多いという

また、GOOD MORNING CAFE&RUNCUBEの隣には九州の熟成肉レストランの老舗で、福岡で3店舗を展開している「CHARCOAL GRILL BUTCHER NYC」が東京初出店。熟成肉といえば温度と湿度を管理しつつ寝かせるのが通常だが、同店ではそれに加え、プラズマ冷蔵庫で振動を加えながら1カ月間熟成させるので、うまみ成分の分解が進みさらに美味になるのだという。

「CHARCOAL GRILL BUTCHER NYC NY」(タワー棟2階)の営業時間は11-23時、席数32席
テキサスから取り寄せたロースターで焼き上げる「BBQポークリブ」(1本500円)が人気。

奥に進むと広いフードコートがあり、「喜多方ラーメン 坂内」「伊吹や製麺」「みとう庵」などの各種麺類の店や、「築地食堂 源ちゃん」が並ぶ。

■ターゲットは近隣のワーカーと住民、週末にはウエディングも

誰でも自由に使える広大な緑地ゾーンはこれからの季節、ランナーだけでなく近隣のオフィスワーカーや住民の憩いの場になりそう。オフィスエリアの入室率は「5月末段階で約5割、年末までに75%を見込んでいる」(NTT都市開発)とのことなので、商業ゾーンも平日はオフィスワーカーだけでも十分集客できるだろう。

土日は貸し切りウエディング会場としても利用できる「ロサンジェルス バルコニー テラスレストラン&ムーンバー」(アネックス2階)。

問題は週末だが、海側の港南エリアには大規模タワーマンションが林立していて、10万人規模の住人がいるという。平日ランチはオフィスワーカー、ディナーや週末は付近のタワーマンションの住人がターゲットになるのだろう。さらにウエディングにも対応するレストランを誘致し、週末の集客強化を狙っている。

一方、駅利用者の集客はあまり期待できそうにない。徒歩6分という距離は決して遠いというほどではないが、途中は完全なオフィス街で店舗がなく、6分間歩くのはけっこう長く感じられる。山手線の新駅が完成すれば、距離はもっと短くなる可能性が高いが、「新駅からの動線は未発表なのでなんともいえない」(NTT都市開発)という。

(ライター 桑原恵美子)

[日経トレンディネット 2015年5月28日付の記事を基に再構成]

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