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シングルマザーでも女性初の経団連役員 吉田晴乃さん

国内外で実績、キャリア形成

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NIKKEI STYLE

BTジャパン社長の吉田晴乃氏(51)は経団連初の女性役員、審議員会副議長に就任した。シングルマザーとして国内外で通信の仕事と育児を両立、半生を「王道から外れたオフロード」と振り返る。女性のキャリア形成とダイバーシティー推進について聞いた。

――経歴を聞くとエリート街道を突っ走ってきたようですが

「いえいえ違うの。王道からは大きく外れ、裏街道まっしぐらの人生ですよ。大学卒業時に原因不明の病に倒れ、内定が取り消されて新卒で就職できなかった。20代後半で親の反対を押し切り国際結婚。カナダに移住したけれど、離婚した。幼い娘と2人で米・ニューヨークに渡り、とにかく必死で働きました」

――仕事に懸命になったのは生活のため?

「もちろん娘のために稼がねばならなかった。でも仕事の面白さに目覚めちゃったんです。原点はカナダの電話会社。寂しくて日本によく国際電話をしていたら、毎月かなりの料金がかかっていた。日本との割安の国際電話プランを提案したら大当たり。やることなすことヒットしました」

「市場を制覇したな、次はと探したら、テクノロジー大国の米国があった。NTTの米事務所で働き始めたのですが、生き馬の目を抜くニューヨークで、日本企業がやっていくのは簡単ではない。マンハッタンのビルを眺めながら飛び込み営業をかけました。営業の分野は数字がすべて。仕事が面白い、この一心で走り抜いてきました」

「経営者になった今、挫折感を1時間おきに感じるし、不安やいらだちもある。そういう時は小さな目標を立てるんです。とにかく金曜日まで頑張ろうって。この苦しみがずっと続くのではという不安が人間を不幸にする。だから出口のないトンネルにはまったら、自分で出口を作ります」

――シングルマザーで海外生活。子育てとの両立は苦労したのでは。

「5歳のころの娘がくれた絵に『マミー、あなたはいつでも心の中にいるわ』とあった。なかなかそばにいてあげられなかった。毎日毎日、罪悪感でいっぱい。彼女が泣く姿や母の日なんて嫌いと言っていたことなどを思い出すと、今でも吐きそうなくらいつらい。でも他に道がなかった」

「20歳になった娘に『あのころは本当にごめんね』と抱きつくと、本人は『うん、もういいよ』と返してくれる。両立に悩む女性に言いたい。『そういう時期は必ずくる、大丈夫よ』と。こう思えるまで20年かかった。そして娘には一生かけて償いたい。まだ見ぬ孫の子育てはもちろん引き受ける。70歳での公園デビューを考えています」

――女性の活躍推進へ何をしていきますか。

「女性で、思いっきりオフロードを走ってきた私が経団連の役員になるのは、日本が大きく変わろうとしている象徴だと思う。英国で経営者らが集まるパーティーに出席したら、3、4割が女性だった。イブニングドレスを着た女性たちが、とうとうとビジネスを語るの。かっこいいじゃない? 日本も遠くない未来、こうなってほしい」

「能力のある女性は、評価をされればそれが血となり肉となり、次のステップに成長していける。最初はゲタ、いえハイヒールを履かせても、本質を見ていく時代がくる。能力をきちんと評価できる体制が必要だし、女性も諦めてはいけない」

「私の母は専業主婦。働きたくても生き方を選べない時代だった。一方で娘の未来を思うと、子育てと仕事に追われ、苦労して悲しそうな顔をしている姿は母として見たくない。自分に一番近い2人の女性の過去と未来に思いをはせると、私たちの時代にしなければならないことがたくさんある気がするんです」

(聞き手は生活情報部次長 武類祥子)

道開いた3つの力

吉田晴乃氏の歩んできた道筋は、一つの企業で経験を積み昇進・昇格を果たす従来型の「王道キャリア」とは大きく異なる。厳しい環境でも、キャリアアップを可能にする要素は何か。女性リーダー研究で知られるリクルートワークス研究所の石原直子氏は(1)初期の仕事経験(2)キャリア自律(3)「普通」への同調圧力からの解放の3つを指摘する。

初期の仕事経験とは、働き始めの時期に想像以上の手応えを得たり、仕事の面白さを体感したりする経験のこと。女性にとって出産・育児でキャリアを中断する例は少なくない。ライフイベントの前にこうした経験を積むことが、働き続ける意欲の鍵を握る。

キャリア自律とはキャリアの目標を設定し、その実現のために自分から働きかけることを指す。通信業界で存在感のある仕事をしていくという強い思いで米国に渡るなどチャンスを求めて動く姿勢で、キャリアアップを果たした。

3つめは「『普通』でないことは良くないこと」という思い込みからの解放だ。「王道から外れたことが、私の生き方を自由にした」と吉田氏は語るが、常識に縛られない視点や行動力が、新たな価値や成果を生み出した。

リーダーシップ開発に詳しい神戸大学大学院経営学研究科の金井壽宏教授は、キャリアの重要な要素として「レジリエンス(復元力)」を挙げる。「つらい経験であっても教訓を引き出し、自分なりに意義付けできれば、厳しい経験が力になる」。多くのリーダーが逆境を乗り越え、飛躍を遂げているという。

変化の時代にあってダイバーシティー(多様性)の重要性が増す中、自らキャリアを切り開き、新しい価値を生む人材が求められている。働く女性にとっては、組織頼みではないキャリア形成が大切。会社にとっては、女性社員への早期の意識付けの取り組みと、多様性を受け入れる風土の醸成が重要となる。

(女性面副編集長 佐藤珠希)

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