クマムシ・8.6秒の「歌・リズムネタ芸人」が1位に2015年上半期ヒットランキング

日経エンタテインメント!編集部がまとめた「2015年上半期ヒットランキング」では、テレビ番組や音楽、映画、本などで幅広く今年らしい顔ぶれがそろった。1位は「歌・リズムネタ芸人」。ネット動画の拡散を通じてお笑いの新たな潮流をつくった。ネットは人気拡大を促す重要な要素だが、音楽などでは公演・演奏力に定評のあるアーティストが上位に挙がるなど“ライブ”が後押しするヒットも増えているようだ。
日経エンタテインメント!の上半期ヒットランキングで1位「歌・リズムネタ芸人」の8.6秒バズーカー(写真/宮田昌彦)

ランキングは40の候補を対象に、セールス、新規性、社会的な影響度の3指標での編集部員の投票結果から作成した。

1位は「あったかいんだからぁ」というキャッチーなサビの歌で人気のクマムシと、軽快なリズムに乗せ「ラッスンゴレライ」を連発する8.6秒バズーカーに代表される「歌・リズムネタ芸人」。芸歴の短いフレッシュな若手で、すぐまねできる分かりやすさが特徴だ。著名人から一般のファンまでが、まねをした映像を動画サイトで披露してブームが加速。指標も影響度が高得点だ。動画サイト経由で生まれた新たなお笑い界のスターといえる。

2位はアルバム「PLANET SEVEN」を75万枚以上売り上げた三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE。指標はセールスでトップだ。アルバム収録の「R.Y.U.S.E.I.」はランニングマンと呼ばれるダンスステップが人気で、YouTubeでは5000万回以上再生された。先輩のEXILEが根付かせた、ボーカルとハイクオリティーなダンスで魅せる迫力をより幅広く知らしめた。

日経エンタテインメント!の上半期ヒットランキングで2位のJ Soul Brothers from EXILE TRIBE
日経エンタテインメント!の上半期ヒットランキングで4位の女優、広瀬すず

新規性で最高ポイントだったのは4位の広瀬すず。多くのCMではつらつとした魅力を発揮し、この上半期で急速に知名度を高めた。公開中の映画「海街diary」(是枝裕和監督)でも好演。10代女性の人気者はアイドルからという流れが続いていたが、久しぶりに女優から注目株が登場した。

6位のディズニー映画は昨年12月公開のCGアニメ「ベイマックス」が上半期の興収1位。今年4月公開の実写作品「シンデレラ」は興収80億円の大ヒットが視野に入りそう。やはり実写の「イントゥ・ザ・ウッズ」も含め、ディズニーは老若男女のファンをつかんでいる。

9位の「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日系)は深夜帯から今春、ゴールデンに進出したバラエティー。芸能、スポーツ、政治などさまざまな分野の人物が先生となり、授業形式で自身の失敗談を披露する。お笑いのオリエンタルラジオが人気を鼻に掛けて「干された」話などを本人が分かりやすく説明。敗因と教訓をきちんと解説して支持された。

14位の吉田羊は小劇場出身の実力派女優。映画、ドラマが立て続けに公開・放映された。17位の鈴木亮平、18位の斎藤工といった個性派俳優も話題を集めた。音楽では12位のSEKAI NO OWARI、16位のBABYMETALがスタジアムやアリーナで大規模ライブを開催。4月に東京ドームなどで来日公演を実施したポール・マッカートニーも19位に食い込んだ。

昨年の「アナと雪の女王」級の大ヒットはまだ生まれていないが、上半期は市場に新たな突破口を切り開くヒットが多い。

(「日経エンタテインメント!」7月号の記事を再構成。文・日経エンタテインメント!編集部)

[日本経済新聞夕刊2015年6月27日付]

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